2024年2月9日(金)、麻布台ヒルズに「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」がついにオープン。同館は、アート集団チームラボと森ビルが共同で手がける「地図のないミュージアム」で、このたび東京・お台場から移転しました。
「ボーダレス」の名の通り、館内には明確な境界線がなく、作品同士が干渉しあい、時には融合しながら一つの世界を創り上げています。映像作品が会場内を移動しており、各作品について詳しく知りたい人は「チームラボアプリ」をダウンロードすると、コンセプトなどを知ることができます。
壁や床、天井のアート作品は、コンピュータプログラムによってリアルタイムに描かれ続けています。触れると反応があったり、動くと足元の作品に変化が起きたりと、全身を使って楽しめます。場所によっては、香りが漂う空間もあります。
チームラボが、設立以来手掛けているプロジェクトである「空書」(空間に書く「書」)も登場します。運が良ければ、ディスプレイを飛び出して他の作品とインタラクションしている様子が見られます。
《Bubble Universe: 実体光、光のシャボン玉、ぷるんぷるんの光、環境が生む光》は、新作の一つ。空間が無数の球体群によって埋め尽くされており、球体一つひとつの中に、シャボン玉のような光やゼリーの塊のような"ぷるんぷるんの光"など、数種類の光が入り混じっています。
《マイクロコスモス - ぷるんぷるんの光》では、ぷるんぷるんの光がレールの上を走り続けます。手を近づけると逃げるようにスピードアップする様子は生き物のよう。このぷるんぷるんの光は、本レポートで紹介した場所以外にも登場するのでぜひ探してみてください。
「Light Sculpture - Flow」シリーズは、光が生み出す強大な彫刻です。目まぐるしく変化していく光の世界は、宇宙空間や広大な海を感じさせます。複数の異なる作品群で構成されており、それぞれ全く違った表情を見せます。
《Infinite Crystal World》は2013年のクリスタルツリーから続く「Light Sculpture - Point」シリーズの一つ。前述のアプリを使って、自分が選んだ"世界の構成要素"を投げ込んで立体物を生み出すことができます。
アプリをダウンロードしていない場合は、空間内に設置されたデバイスから構成要素を投げ込むことができます。空間内はさながら光の迷路ですので、迷わないよう気を付けて。
《中心も境界もない存在》を見つけたら、黒い核のようなものに触れようとしてみてください。反応して変化しますが、触ろうとしてもその実体には触れられません。自分が目にしている物の認識と存在について考えさせられます。
館内には「EN TEA HOUSE」というティーハウスがあり、お茶やアイスを楽しめます。器には花や木がリアルタイムで描かれ、移動させると花が散り、木が枯れ、また新たな場所で茂り始めます。
《スケッチオーシャン》は、来場者が描いた海の生物が泳ぐ海。さまざまな生物がいますが、中でもマグロは世界の他の場所で行われている展覧会の《スケッチオーシャン》や《世界とつながったお絵かき水族館》の海を行き来するそうです。
今回紹介した以外にも、たくさんの仕掛けが隠れています。ぜひ実際に足を運んで、その魅力を思う存分体験してみてください。
編集部 齊藤
「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」
会期:常設 ※2024年2月9日(金)オープン
会場:麻布台ヒルズ ガーデンプラザB B1
東京都港区麻布台1-2-4
時間:10:00~21:00
※最終入館は閉館の1時間前
休館日:第一・第三火曜日
企画:森美術館
公式HP(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://www.teamlab.art/jp/e/borderless-azabudai/