東京ミッドタウン・デザインハブでは、2月25日(日)まで第106回企画展「ゼミ展2024 デザインの学び方を知る」を開催中です。
大学・専門学校の教育課程や研究室で取り組まれている課題の内容と、学生作品をご紹介する「ゼミ展」は、2018年から開催。今年はデザインを専門とする9校10ゼミが集まりました。
専門学校 桑沢デザイン研究所 総合デザイン科 ビジュアルデザイン専攻 浅葉克己+Goo Choki Parゼミは「カレンダー」を課題に、パーソナルなデザイン・アプローチで作品をデザイン。一見、カレンダーに見えない作品もあり、どんな意図が込められているのか探るのが楽しいです。
京都芸術大学大学院 芸術研究科 芸術環境専攻 文化デザイン・芸術教育領域 文化創生分野の課題は「自転車等を活用した地域文化デザイン」。環境負荷が少ない移動手段としても価値が見直されている自転車を地域文化の掘り起こしに活用する可能性について実践した研究記録を紹介しています。
昭和女子大学 環境デザイン学科 三星安澄研究室は「これもクッキー型である」をテーマに、さまざまなクッキー型と 、実際にその型で焼いたクッキーを展示しています。ただくりぬくだけでなく表面の凹凸を工夫するなど、立体的にデザインが考えられています。
多摩美術大学 統合デザイン学科 菅俊一プロジェクトの課題は「時間の探求」。全員が同じ本を読み、そこから得た着眼点を変換・応用して成果物を作成したそうです。目に見えない"時間"のデザインに、思わず唸ってしまいました。
広島市立大学 芸術学部 デザイン工芸学科 視覚造形分野では、毎年平和をテーマにポスターを制作しているそう。本展で展示されているのは「広島学生平和ポスターコンペティション」2023年度グランプリをはじめ、入選以上の8作品です。
名古屋造形大学 地域社会圏領域 蜂屋景二スタジオでは「建築をつくることで地域の文脈をつくる」を課題に、大学から徒歩圏内のエリアをリサーチし、地域の拠点となるような場所を獲得するための設計に取り組んでいます。今回は、その過程や街を模してレイアウトされた模型が展示されています 。
武蔵野美術大学 芸術文化学科 佐々木一晋ゼミでも、地域社会におけるデザインを扱っています。「地域指向型デザイン・アートワーク」をテーマに、特定の場に帰属する仕掛けや作品を企画・構想し、一連のデザインプロセスを学んでいます。
同大学の空間演出デザイン学科 五十嵐ゼミでは「showspace showcase -白と光-」をテーマに、白い素材と光を掛け合わせて独自の世界を表現しています。白と一言で言っても、素材によって効果や特性が異なるのが面白いです。
長岡造形大学 造形学部 発想・着想演習では「Creative Thinking Practices」を課題に、身近なモノゴトを対象に学生同士が議論します。その過程で、新たなデザインを発見したり、異なる着眼点・発想法を学んだりしているようです。
東京都立大学 インダストリアルアート学科 製品・サービスデザイン研究室の「伝統からの再発見」は、昔から伝わる生活様式や道具から現代のライフスタイルと技術を基に再解釈し、よみがえらせるデザイントレーニングをします。祈りや弔いなど、日本ならではのテーマも多く、非常に興味深かったです。
2月11日(日・祝)には、出展各ゼミが会場に集う「オープンデイ」が実施予定。各ゼミによるプレゼンテーションのほか、Q&Aセッションも行われるそうです。
編集部 齊藤
「ゼミ展2024 デザインの学び方を知る」
会期:2024年1月10日(水)~2月25日(日)
時間:11:00~19:00
会期中無休・入場無料
会場:東京ミッドタウン・デザインハブ
主催:東京ミッドタウン・デザインハブ(構成機関:公益財団法人日本デザイン振興会、公益社団法人日本グラフィックデザイン協会、多摩美術大学TUB)
出展校(50音順):京都芸術大学大学院芸術研究科、専門学校桑沢デザイン研究所総合デザイン科、昭和女子大学環境デザイン学科、多摩美術大学統合デザイン学科、東京都立大学インダストリアルアート学科、長岡造形大学造形学部、名古屋造形大学地域社会圏領域、広島市立大学芸術学部、武蔵野美術大学空間演出デザイン学科、同芸術文化学科
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://www.designhub.jp/exhibitions/seminars2024