国立新美術館では、「大巻伸嗣 Interface of Being 真空のゆらぎ」が開催中です。現代美術家・大巻伸嗣さんの個展で、国立新美術館で最大となる天井高8m、2000m²にも及ぶ展示室をダイナミックに使用しています。
最初に登場するのは、「あいちトリエンナーレ2016」で発表された《Gravity and Grace》の最新バージョン。開催に先立って行われた内覧会で、大巻さんは「ツボの文様は世界中のあらゆる文明や文化を反映しています。ただの花柄ではなく、地球そのものを表しているんです」と説明しました。
今回、詩人の関口涼子さんとコラボレーションしており、会場の床には詩が書かれています。目を凝らすと、黒い床に黒色で書かれた文字が浮かび上がってきます。11月3日には、関口さんによる詩の朗読や、大巻さんと関口さんのクロストークイベントも行われました。
《Liminal Air Space--Time 真空のゆらぎ》も圧巻です。真っ暗な展示室の中で揺らめく一枚の大きな白い布。その動きからは、波のうねりが連想されます。
ここでは、特別イベントとしてダンサーとのコラボレーションを実施。内覧会の際は、鈴木竜さんが、関口さんによる詩の朗読にあわせてパフォーマンスを行いました。ダンサー によるパフォーマンスは、会期中にも定期的に実施予定です。日程等の詳細は美術館ホームページをご覧ください。
大型インスタレーションのほか、水彩画も展示されています。これらはパンデミックのさなか、窓からの眺めを即興的にとらえた作品だそうです。
さらに映像作品も見ることができます。横長の大きなスクリーンに映し出される《Rustle of Existence》は、17分20秒の作品となっています。椅子に腰かけて、時間の許す限りじっくりと鑑賞してみてはいかがでしょうか。
このほか、本展にはドローイングが多数出品されています。これまでほとんど発表されることがなかったので、ファンにとっては大変貴重な機会ではないでしょうか。
これほど豪華な作品の数々が展示されている本展ですが、観覧は無料だというから驚きです! 六本木エリアを訪れた際は、ぜひ足を運んでみてください。
編集部 齊藤
「大巻伸嗣 Interface of Being 真空のゆらぎ」
会期:2023年11月1日(水)~12月25日(月)
※毎週火曜日休館
開館時間:10:00~18:00(毎週金・土曜日は20:00まで)
※入場は閉館の30分前まで
会場:国立新美術館 企画展示室2E
主催:国立新美術館、独立行政法人日本芸術文化振興会、文化庁
協力:株式会社アートフロントギャラリー、マインドセットアートセンター、株式会社中川ケミカル
観覧料:無料
展覧会HP(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://www.nact.jp/exhibition_special/2023/ohmaki/