国立新美術館では、10月2日(月)まで「テート美術館展 光 ― ターナー、印象派から現代へ」が開催中。英国・テート美術館のコレクションより「光」をテーマにした作品が厳選され、18世紀末から現代までの約200年間におよぶ創作の軌跡をたどります。
ユダヤ教とキリスト教において、神は最初に光を想像したと伝えられています。そこで、初めは18世紀末から19世紀初めにかけての絵画と、関連するテーマを扱う現代の作品が並びます。
先へ進むと、ヨーロッパの画家による風景画が現れます。本展では、フランスの印象派を代表する画家、クロード・モネ、カミーユ・ピサロ、アルフレッド・シスレーらの絵画が登場します。自然の中の光が緻密に描かれており、時を忘れて見入ってしまうことでしょう。
中には、草間彌生さんの作品も。鏡のような長方体に水玉を模した穴がいくつか空いている《去ってゆく冬》。中をのぞくと、無限に広がる不思議な空間を体験できます。
光は外の世界だけではありません。ヴィルヘルム・ハマスホイやウィリアム・ローゼンスタインは室内画や肖像画にて、室内における繊細な光の表現を念入りに描写しています。
その先では、ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーによる、《講義のための図解》シリーズが並びます。異なる光源によって、光と影をどう描き分けるかが説明されており、アーティストは必見です。
さらに進むと、現代の作家によるキネティック・アートやインスタレーション、映像等の多様な作品が登場します。光という一つのテーマをとっても、作家によって多種多様な表現がなされていることを、改めて考えさせられます。
会場最後に位置するオラファー・エリアソンの《星くずの素粒子》は圧巻です。作品によって展示室内全体が輝き、まるで星屑の煌めきを浴びている気分が味わえます。
異なる時代、異なる地域で制作された「光」の作品の数々。本展の音声ガイドは、ドイツ語で光(Licht)の名をもつ俳優の板垣李光人さんが務めています。作品に合った音楽を聴くこともできるので、ぜひ併せて楽しんでみてはいかがでしょうか。
編集部 齊藤
「テート美術館展 光 ― ターナー、印象派から現代へ」
会期:2023年7月12日(水)~2023年10月2日(月)
休館日:毎週火曜日
開館時間:10:00~18:00
※入場は閉館の30分前まで
会場:国立新美術館 企画展示室2E
東京都港区西麻布2丁目22-5
主催:国立新美術館、テート美術館、日本経済新聞社、テレビ東京、BSテレビ東京、TBS、BS-TBS
協賛:ウェッジウッド、大林組、関彰商事、SOMPOホールディングス、ダイキン工業、DNP大日本印刷、大和証券グループ、三井不動産、横河電機
協力:日本航空、フィナンシャル・タイムズ所
後援:ブリティッシュ・カウンシル
展覧会HP(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://tate2023.exhn.jp/