六本木エリアのギャラリーを編集部の目線で紹介する「六本木ギャラリー探訪」。今回は、西麻布交差点付近に位置する「SNOW Contemporary」です。
今回お話を伺ったのは、ディレクターの窪田研二さん。上野の森美術館や水戸芸術館現代美術センターの学芸員だった経歴をお持ちで、2011年にSNOW Contemporaryを立ち上げました。
「2010年頃はスペースを持たず、アーティストのマネジメント活動を中心に行っていました。当時はシンガポールにオフィスを構えていて、そこを拠点にする計画もありましたが、縁あって2011年に世田谷でギャラリーを始めることになりました。
やがてその建物の老朽化によって移転することになり、次はもう少しアクセスのよい場所にしようと考えました。そんな中、このビルを見つけました。西麻布に移転してから7年ほどが経過しましたが、世田谷の頃と比べるとギャラリーを訪れてくれる人の数は何倍にも増えましたね」
作家の傾向について伺ったところ、年代や性別、ジャンルといった属性に対するこだわりはないそう。たとえば、8月5日(土)まで開催している「絶縁のステートメント」は布施琳太郎さんの個展ですが、彼は今28歳。ベテランの作家だと83歳の方もいらっしゃるそうです。
アーティストの表現内容に関しても多種多様だとか。「高度にコンセプチュアルな作品からストリートアートやグラフィティなど、この時代を表象する作品を主に取り扱っています。どんなジャンルだとしても、アートとしてのクオリティの高さに一定の基準を置き、ここで紹介する作家を選んでいます」
なお、開催中の「絶縁のステートメント」では、「人と人がコミュニケーションをした場合、その二人は絶縁しなければならない未来」をテーマに、映像やドローイング、小型彫刻などの作品が並びました。
「ギャラリーの役割は、アーティストが世の中に出ていくお手伝いをすること。アートが社会へと浸透していくことで、未来への想像力を喚起したり、社会的な既成概念を壊したりすることこそがアートの持つ力だと思うんです。当ギャラリーの活動によって、社会がより豊かになることに少しでもつながればうれしいです」
ちなみに、ギャラリー周辺のおすすめスポットを尋ねたところ「森美術館や国立新美術館は徒歩圏内ですし、日が落ちる頃にはさまざまなお店がにぎわっています。すぐ近くには、おそばの甲賀という有名なお蕎麦屋さんがありますよ」とのこと。ギャラリーを訪れた際のランチやディナーにいかがでしょうか。
編集部 齊藤
「SNOW Contemporary」
住所:〒106-0031 東京都港区西麻布2-13-12 早野ビル404
開廊時間:水曜日~土曜日13:00~19:00
休廊:日曜日・月曜日・火曜日・祝日
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):http://snowcontemporary.com/about.html