東京ミッドタウン・デザインハブでは、今年10月に日本で34年ぶりに開かれる「WDO 世界デザイン会議 東京2023」のプレイベントとして、企画展「Design Beyond - あたらしい世界のためのデザイン」を開催中です。
本展では、会議の全体テーマである「Design Beyond」と、会議内で議論が予定されている4つのテーマ「Humanity」「Planet」「Technology」「Policy」が掘り下げられます。
会場入り口付近のコーナーは「Planet」。サーキュラーエコノミー(循環経済)社会を実現するにはどうしたらいいのか、また環境問題に対処するためにどのような方策があるのかという観点からデザインを考えます。
上は、田中一雄氏の「里海珊瑚プロジェクト」。温暖化の影響で珊瑚の白化現象が進行していることを背景に、珊瑚を陸上で育成し、海に戻す事業です。
続く「Humanity」では、デジタルネットワーク型、地球生命型など、新たな人間観からデザインを考えます。
こちらのバイクは、ヤマハ発動機株式会社が開発した「MOTOROiD」。まるで生き物のように、オーナーを認識して寄ってきたり、自力で起き上がったりするそうです。SF映画に登場するようなマシンがすでに現実となっていることに驚きました。
中村勇吾氏が制作したゲーム「HUMANITY」は、「人間らしさとは?」という問いを原点に誕生しました。群衆をダイナミックな観点から誘導するゲームを通して、新たな発見・気づきが生まれそうです。
会場中央に位置する「Technology」は、デジタル・トランスフォーメーションが将来的にどのような変化もたらすのかという観点で展開されます。田中みゆき氏による「オーディオゲームセンター」は音のみで遊べるゲーム。どうやって? と興味をもった方は、ぜひ会場に足を運んでください。
「Policy」の展示は、「デザインそのものの振興政策」と「デザイン力を活用した社会政策」という二つの論点に分けられます。
齋藤精一氏は「良いデザインが社会を変える仕組み」としてグッドデザイン賞を紹介しています。本サイトでも毎年紹介しているグッドデザイン大賞の歴史やその社会的意味について詳しく説明されています。
上はヤマハ株式会社による展示。「もし、江戸時代にピアノがあったら?」と題し、木製のピアノが3点ほど並べられています。西洋化を経ずに進化した世界という、"IF"を想定した作品に想像力が膨らみました。
最先端のデザインに触れられる、非常に未来的な展覧会でした。「WDO 世界デザイン会議 東京2023」の開催は、10月27日(金)~29日(日)の三日間です。チケットも発売中ですので、興味のある方は是非チェックを。
編集部 齊藤
「Design Beyond - あたらしい世界のためのデザイン -」
会期:2023年6月16日(金)~7月30日(日)
時間:11:00~19:00
会期中無休/入場無料
会場:東京ミッドタウン・デザインハブ(東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー5階)
主催:東京ミッドタウン・デザインハブ
企画・運営:公益財団法人日本デザイン振興会/WDO世界デザイン会議東京2023実行委員会
公式サイトで詳細を見る(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://www.designhub.jp/exhibitions/8880