TOTOギャラリー・間では、8月6日(日)まで「ドットアーキテクツ展 POLITICS OF LIVING 生きるための力学」を開催中です。
ドットアーキテクツは、大阪・北加賀屋に拠点を構える建築家ユニットで、現在のメンバーは家成俊勝、赤代武志、土井亘、池田藍、宮地敬子、勝部涼亮、小林明日香の7名。先駆けて開催されたプレスカンファレンスでは、赤代氏と土井氏を除く5名が登壇しました。
「POLITICS OF LIVING」とは、小さな自治空間を生み出す力学のこと。本展では、ドットアーキテクツの本拠地「コーポ北加賀屋」だけでなく、ほかの地域における活動、さらには自主製作した映画や遊びを知り、体験できる機会となっています。
会場に足を踏み入れると、まず登場するのは「博物館」コーナーです。失敗作も含め、メンバーが手掛けた作品が展示されています。
例えば、下の《オーバーヘッドプロジェクション》は、頭の上にプロジェクターを載せてパフォーマンスを行っていた時のもの。アーティストのやんツー氏に土井氏が弟子入りしたというエピソードが添えられていました。
壁には、イタリアのミラノとトリノの地図が貼られています。イタリアでは、行政や企業が手つかずのまま放置している遊休施設を不法占拠して、コミュニティのために使用している事例が数多くあるそうです。そんな自主的な活動について、写真と共に紹介されています。
シルクスクリーン工房では、自作の機械が設置されています。この機械で、メンバーも着用しているTシャツを作成しているそうです。6月3日(土)には、シルクスクリーンの体験ができるイベントも開催されました。
中庭には、パターゴルフ場が出現。ここでは、手作りのパターを使ってゴルフを楽しめます。ちなみに、ゴルフコースの名前は「ノギザカストレート」と「ノギザカノベンザ」だとか。
パター作りのワークショップが行われる《Aフレームテント》は、「六本木アートナイト2016」で使用されたものでもあります。中庭の奥にある茅葺きは、前回の展覧会「TOTOギャラリー・間 企画展 How is Life ――地球と生きるためのデザイン」から受け継いだそうです。
中庭から階段を上り、4階へ。ここでは、模型や設計図が展示されています。このたび、ドットアーキテクツ初の作品集『POLITICS OF LIVING 生きるための力学』が刊行されましたが、そこで紹介されている建築の模型となっています。
さらに奥は「映画館」コーナー。ドットアーキテクツのメンバーが出演する映画『GDP THE MOVIE~ギャラクティック運輸の初仕事~』が上映されています。
建築の枠にとらわれない、自由でのびのびとした展覧会となっていました。現地に行って全身で体験してこそ、気づきや学びを得られることでしょう。
編集部 齊藤
「ドットアーキテクツ展 POLITICS OF LIVING 生きるための力学」
会期:2023年5月18日(木)~8月6日(日)
時間:11:00~18:00
休館日:月曜・祝日
入場料:無料
会場:TOTOギャラリー・間
主催:TOTOギャラリー・間
企画:TOTOギャラリー・間運営委員会
特別顧問=安藤忠雄、委員=千葉学/塚本由晴/セン・クアン/田根剛
後援:一般社団法人 東京建築士会、一般社団法人 東京都建築士事務所協会、公益社団法人 日本建築家協会関東甲信越支部、一般社団法人 日本建築学会関東支部
公式サイトで詳細を見る(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://jp.toto.com/gallerma/ex230518/index.htm