六本木エリアのギャラリーを編集部の目線で紹介する「六本木ギャラリー探訪」。今回は、飲食&アートギャラリーの「アートかビーフンか白厨」です。
「アートかビーフンか白厨」をプロデュースするのは、ArtStickerを運営するThe Chain Museum。六本木未来会議のクリエイターインタビューに登場したこともある遠山正道さんが代表取締役を務める、「気付きのトリガーを、芸術にも生活にも。」をミッションに掲げる企業です。
誰かと食事を共にし、語らいながらアートを鑑賞できる空間として2023年4月、「アートかビーフンか白厨」がANB Tokyoの跡地にオープンしました。このビルは街の再開発によって取り壊しが決まっており、約2年間の期間限定のオープンだそうです。
ビルの中へ入り、奥の階段から2階へ上がるとすぐに入口があります。向かって左側はギャラリースペースで、アートを間近で鑑賞しながら飲食を楽しめます。
反対側にはカウンター席が。おひとり様でも、隣の人やスタッフとアートについて気軽に語り合うことができそうです。
今回、お話を伺ったのは、The Chain Museumの宮川大さん。オープンの経緯について、「我々が運営しているArtStickerでは、アーティストとアートファンをつなげるプラットフォームをWEBとアプリ中心で提供しています。これを、リアルの場に落とし込みたい想いがあり、今回このような形で実現させました」と話してくれました。
「展覧会やギャラリーの帰り道って"ちょっと1杯飲みに行こう"みたいな感じで、食事をする流れになることがあると思います。僕らはあの時間が大好きで、だからギャラリーと飲食店を併設しようという話になりました」
出展アーティストは、新鋭の若手作家が中心。取材時は、日本橋馬喰町にギャラリーを構える「CON_」のキュレーションによる 山中雪乃とJihyoung Hanによる展示でした。6月3日(土)~25日(日)は、台北のGALERIE OVO十方藝術空間が日本で初めてとなる総勢18名のグループ展「LOOPHOLE」 を開催します。宮川さんは「六本木というアートに関心の高い街で、若手が自然体で活躍できる場を提供したいんです」と語ります。
ここでは、アーティスト支援の一つとして「BottleForArtists(BFA)」という取り組みも行われています。これは、アートコレクターやアートファンがアーティストに対してボトルキープができるシステムです。
ボトルには、支援者のサインやメッセージが書かれたプレートがぶらさがっています。中には超有名なアーティストも! 六本木未来会議で登場した方の名前も見かけました。ボトルがずらりと並んだ様は圧巻。眺めているだけでも楽しいです。
名前に「ビーフン」があることから想像がつくかもしれませんが、料理は台湾料理が中心。ちなみに、「白厨(パイチュウ)」は、ホワイトキューブの「白」と厨房の「厨」を組み合わせた造語だそうです。
六本木での展覧会・ギャラリー巡りの帰りに、ぜひ立ち寄りたい場所でした。今後は港区や中央区に、さらに新しいアートギャラリーをオープンする予定があるとか。こちらも楽しみです。
編集部 齊藤
「アートかビーフンか白厨」
住所:〒106-0032 東京都港区六本木5丁目2−4 朝日生命六本木ビル 2階(ANB Tokyo跡地)
開館時間:17:00~23:00
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):https://artsticker.app/events/6541