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【展覧会レポート】森美術館「地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング」

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《ヘーゼルナッツの花粉》を展示するヴォルフガング・ライプ、
豊田市美術館(愛知)2003 年
Courtesy:ケンジタキギャラリー(名古屋、東京)
撮影:怡土鉄夫
※参考図版

  • 地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング
  • 森美術館
update_2022.07.22

森美術館では、11月6日(日)まで「地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング」が開催されています。本展では、パンデミック以降の新しい時代をいかに生きるか、心身ともに健康である「ウェルビーイング」とは何かを、現代アートに込められた多様な視点を通して考えます。国内外16名のアーティストによるインスタレーションや映像、写真など、約140点の作品を通じて、「よく生きること」への考察を促します。

本展のタイトル「地球がまわる音を聴く」は、オノ・ヨーコのインストラクション・アートからの引用です。意識を壮大な宇宙へと誘い、私たちがその営みの一部に過ぎないことを想像させ、新たな思索へと導く言葉です。彼女の作品は本展冒頭で紹介され、会場内にも点在しています。

blog_20220722
地球がまわる音を聴く_ヴォルフガング・ライプ_展示風景

こちらはヴォルフガング・ライプによる《ヘーゼルナッツの花粉》です。黄色い粉がヘーゼルナッツの花粉で、これは彼自身が住むドイツ南部の小さな村で長い時間をかけて集めたもの。花粉には遺伝子情報が凝縮されており、生命の原点とも言えます。ライプが自然素材を用いて制作するミニマルな表現は、瞑想的な静けさの中に、自然界で繰り広げられる生命の循環と、そこに含まれる私たちの存在を感じさせてくれます。

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エレン・アルトフェスト
《木々》
2022年
油彩、キャンバス 26 × 30.2 cm
Courtesy: White Cube
撮影:トーマス・ミュラー

植物や人物をモチーフに写実的な絵画を制作してきたエレン・アルトフェストの絵には、木や岩肌の質感や皮の複雑な模様など、一度では把握しきれないほどの情報が細かく描かれています。その緻密な作業は、膨大な時間を費やして行われます。普段見過ごしてしまう自然の姿や時間の流れが丁寧に表現されている彼女の作品を、ぜひ間近で見てみてください。

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ギド・ファン・デア・ウェルヴェ
《第9番 世界と一緒に回らなかった日》
2007年
ハイビジョン・ビデオ・インスタレーション
8分40秒
Courtesy: Monitor Gallery; Grimm, Amsterdam; Luhring Augustine,
New York
撮影:ベン・ゲラーツ

ギド・ファン・デア・ウェルヴェの《第9番 世界と一緒に回らなかった日》は、北極点で24時間かけて地球の自転と反対に回り続ける様子を記録したタイムラプス映像です。その行為の壮大さと過剰さ、そしてナンセンスさに気づくことで、独特なユーモアのある詩的表現として観る者の関心を引きつけます。流れている音楽は、幼少期からクラシック・ピアノを学んだ彼自身が作曲し、演奏したもの。ゆったりとした穏やかなメロディーに心安らぎます。

blog_20220722
地球がまわる音を聴く_小泉明郎_展示風景

演劇的な手法で映像作品を生み出す小泉明郎は、本展のために、催眠術をテーマにした新作を制作しました。催眠術を用いて言語に頼った人間の脆弱性を明らかにしながらも、心の回復の可能性を考察する作品となっています。こちらでは催眠術にかけられた人々の様子を映像を通じて見ることができ、催眠術師が「良い人間になりなさい」「この美術館は夢を見ています」などと語りかける声も聞けます。私たちは日々さまざまなメディアを通して大量の情報を受け取りますが、そこには言語の情報も多く含まれています。小泉はそうした言語と人々の意識の影響関係を、催眠術を用いることで示しています。

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地球がまわる音を聴く_堀尾貞治_展示風景

こちらは絵画からインスタレーション、水墨画など、メディアを問わず膨大な作品を制作してきた堀尾貞治の作品群です。出品作「色塗り」シリーズは、1985年から亡くなる2018年まで、毎日欠かさず作り続けられました。彼は、空気のように目に見えないけれど生きる上で大切な存在を美術で可視化する営みを「あたりまえのこと」と名付け、それをコンセプトに制作してきました。生きることそのものがアートであった彼の作品は、生きることの豊かさを伝えてくれます。

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地球がまわる音を聴く_ロベール・クートラス_展示風景

壁一面に展示されているのは、ロベール・クートラスの「僕の夜」という作品群です。タロットカードほどの大きさのボール紙には、動物やキリスト教的なモチーフ、抽象的な模様などが描かれています。パリの画廊との契約を自ら解除し、極貧生活の中で制作する道を選んだ彼は、これらの作品を1985年に亡くなるまで毎晩のように制作し続けました。困窮してもなおクートラスが求めた、人間ではないもの、目に見えない存在についての根源的な表現を見ることができます。

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地球がまわる音を聴く_金沢寿美_展示風景

金沢寿美の《新聞紙のドローイング》は、新聞紙を10Bの鉛筆で黒く塗りつぶしながら目に留まった単語や画像だけを残し、それらを何枚も並べたものです。彼女は出産後、外へ出向いて制作するのが困難になり、そうした生活の中で社会との断絶を感じたことをきっかけに、この作品の制作を始めました。黒々と光る新聞紙の表面が、目に見えない社会や時代の暗部を思わせます。それがカーテンのように連続して展示されることで、社会の表裏や物事の両義性と、その境界の曖昧さなどを考えさせます。

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ツァイ・チャウエイ(蔡佳葳)
《子宮とダイヤモンド》(部分)
2021年
手吹きガラス、鏡、ダイヤモンド
300 × 600 cm
展示風景:「ツァイ・チャウエイ:子宮とダイヤモンド」リブ・フォーエバー財団(台中)
2021 年

ツァイ・チャウエイは、東洋思想に基づく宇宙観や自然観に対する研究と洞察をもとにしながら、今を生きる私たちはどのような存在かという普遍的な問いに対して、きわめて個人的かつ詩的に取り組む作家です。《子宮とダイヤモンド》は、密教に見られる両界曼荼羅の形式を踏襲した作品。曼荼羅とは仏の教えを分かりやすく図解したもので、鏡で作られた曼荼羅である本作では、インドの密教において不滅の力を表す金剛界はダイヤモンドで、すべてを包む空間を表す胎蔵界は、ブータンの僧侶がマントラを唱えながら吹かれたガラスの彫刻で表現されています。

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地球がまわる音を聴く_ツァイ・チャウエイ(蔡佳葳)_展示風景

パンデミック以降の世界で、私たちは新しい世界をどのように生きるのか。本展を訪れて、「ウェルビーイング」や「よく生きること」に想像をめぐらせてみてはいかがでしょうか。



編集部 丹羽

INFORMATION

地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング
会期:2022年6月29日(水)~11月6日(日)※会期中無休
開館時間:10:00~22:00(火曜日のみ17:00まで)※入館は閉館時間の30分前まで
会場:森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)
入館料:
当日[平日]一般 1,800円、学生(高校・大学生)1,200円、子供(4歳~中学生)600円、シニア(65歳以上)1,500円
当日[土・日・休日]一般 2,000円、学生(高校・大学生)1,300円、子供(4歳~中学生)700円、シニア(65歳以上)1,700円
主催:森美術館
企画:片岡真実(森美術館館長)、熊倉晴子(森美術館アシスタント・キュレーター)、德山拓一(森美術館アソシエイト・キュレーター)
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://www.mori.art.museum

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