東京ミッドタウン・デザインハブでは8月11日(木・祝)まで、第97回企画展となる「日本のグラフィックデザイン2022」が開催されています。
会員約3,000人を擁するアジア最大級のデザイン団体、日本グラフィックデザイン協会(JAGDA)が企画・運営する本展。同団体は過去1年間のJAGDA会員の優れた仕事や作品をまとめた年鑑『Graphic Design in Japan』を、1981年より毎年発行しています。今回は、その2022年版の掲載作品の中から約300点が、実物とモニタで展示されています。
ポスターやロゴ、書籍、新聞広告、映像など、10のカテゴリ別にさまざまなグラフィックデザインがずらりと展開。第24回亀倉雄策賞やJAGDA賞2022などの受賞作はもちろん、選考委員が最も興味を持った作品に贈られる「This One!」なども紹介されています。
JAGDA賞2022の受賞作品の中から、一つを紹介しましょう。服部一成氏が手掛けたブックデザイン「仲條 NAKAJO」は、グラフィックデザイナーである仲條正義氏の60年間の作品をまとめた本です。本の厚みから、仲條氏が歩んできた歴史が感じられます。
こちらは、石川竜太氏が手掛けたトマトケチャップのロゴです。一見トマトに見える赤い円は、よく見ると冬眠中のクマ。原料の「越冬トマト」から着想を得て、このビジュアルを提案したそうです。
展示の中には、街中でおなじみのデザインも見受けられます。普段から見慣れているようなものでも、あらためてじっくり観察すると思いもよらない発見がありそうです。
会場いっぱいに吊り下げられているポスターは圧巻。会場の奥では、新聞や雑誌の広告デザインが展示されています。壁一面に貼られた作品を眺めていると、制作のヒントが湧いてくるかも?
映像作品については、会場内のモニタやスクリーンで見ることができます。Webサイトなどのデジタルメディアに関しては、QRコードを読み込むことで閲覧が可能になっています。
会場に隣接した一室、多摩美術大学 TUBでは、39歳以下の会員の中から選出されるJAGDA新人賞2022を受賞した同大卒業生、竹田美織氏、前原翔一氏、佐々木拓氏3名の作品が7月18日(月・祝)まで展示されています。
部屋の中に吊り下げられたポスターのほか、壁一面にも彼らが手掛けたデザインが。心ゆくまで世界観に浸ることができます。また、受賞者3名によるコメントも掲載されています。
多種多様な日本のグラフィックデザインの現在を楽しめる本展。プロダクトのバリエーションも豊富なので、飽きることがありません。六本木を訪れた際は、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
編集部 齊藤
東京ミッドタウン・デザインハブ第97回企画展「日本のグラフィックデザイン2022」
会期:2022年6月30日(木)~8月11日(木・祝)
会場:東京ミッドタウン・デザインハブ
開館時間:11:00~19:00
休館日:会期中無休
入場料:無料
主催:東京ミッドタウン・デザインハブ
企画・運営:公益社団法人日本グラフィックデザイン協会
連動企画:「JAGDA新人賞展2022 @TUB」
多摩美術大学 TUB (デザインハブ内)
7月18日(月・祝)まで/11:00〜18:00/日曜休/入場無料
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://designhub.jp/exhibitions/7544/