東京ミッドタウンの芝生広場にて、5月29日(日)まで、「PLAY EARTH PARK」が開催されています。子どもやファミリーを対象とした本イベントでは、主催者であるスポーツアパレルメーカー「ゴールドウイン」の新たなコンセプト「PLAY EARTH(=地球と遊ぶ)」のもと、地球を構成する5つのエレメント「地/水/風/空/火」をテーマにした遊具や什器を計7名の建築家がデザイン。会場に設置された遊具は子どもの想像力を刺激し、これまでにないような遊びを生み出します。
この作品は、広場に入ってすぐ右側に設置されているインフォメーションセンターです。真ん中に穴の開いた四角いオブジェがドミノのように並んでいて、早速興味を惹かれます。
このインフォメーションセンターを手掛けた建築家の上林剛典(Plat)さん曰く「ロウでつくられたゆえのマットな質感が、『触ってみたい、嗅いでみたい』という好奇心を刺激して、子どもたちの行動を自然と呼び起こしてくれるよう制作しました」とのこと。たしかに、思わずくぐってみたい、と感じさせる不思議な魅力を放っていました。
「火」がテーマのこちらの遊具は、豊田啓介さん、蔡佳萱さん、酒井康介さん率いる建築デザイン事務所noizによるもの。トランポリンが3つ付いていて、その上でジャンプするとセンサーが感知して中央から空気が吹き出し、火山から噴出する炎のように布が立ち上ります。その場に居合わせた子ども同士が炎を消さないよう飛び跳ね続けることで、協力することも自然と体得できます。
淡いカラーのマーブル模様と、そびえ立つ角錐に圧倒されるこちらは、山田紗子(山田紗子建築設計事務所)さんによる「地」がテーマの遊具です。
遊具の中に一歩入ると、そこはまるで山々に囲まれた世界。大人は体を傾けないと歩けませんが、小さな子どもたちにとってはワクワクする空間であること間違いなし。自然に分け入って山肌を感じるように、登ったり寄りかかってみたり、体を目いっぱい使って遊ぶ子どもたちの姿が印象的でした。また、ある隠れ場所も設けられています。ぜひ探してみてください。
太陽の光を浴びて輝くこちらの遊具は「水」がテーマ。澤田航さんと橋村雄一さんが主宰する建築設計事務所Sawada Hashimuraによるものです。一見どのように遊ぶのか悩んでしまいそうな銀色の作品の正体は、ハンドパンやスリットドラムと呼ばれる打楽器。叩く場所や叩き方によって音の高さは変わり、異なる音たちが群れのように広がる空間をつくり出します。
音を出すときは、中指の腹を使って弾くように叩くのがコツ。「こうやって弾くといい音が出るよ!」と親子でコミュニケーションを取りながら、一緒になって楽しめます。
「空」がテーマのこちらは、DOMINO ARCHITECTSの大野友資さんが手掛けたもの。雲のようにも見えますが、「空」という漢字は「ソラ」だけではなく、「カラ」や「クウ」とも読むことから、「空気」をメインテーマにしたそうです。37個の透明なビニールバッグで埋め尽くされた空間では、座る・飛ぶ・押すなど、さまざまな動きができます。
一つひとつのビニールバッグは、服の型紙を用いてデザインされています。このアイデアは、「遊具」と「服」のどちらも"自然と人工が上手に絡み合っている"という共通点を見出したことから思いついたそう。注意深く見ると、服の正面や腕の部分など、見覚えのある形を見つけることができます。遊び疲れたら、寝そべって空を見上げるのも良いですね。
高くそびえたつ赤い塔が象徴的なこちらは、中村竜治さん(中村竜治建築設計事務所)による「風」がテーマの遊具です。吹いてくる風を使うのではなく、遊具自体に風を生み出す仕掛けが施されています。
その秘密は、太陽が塔にあたることで中の空気が温められて発生する上昇気流。これを利用して、円錐形の紙を飛ばします。なぜ風が起きるのか、仕組みを考えることで、子どもたちの知的好奇心が刺激されそうです。
個性豊かな5つの遊具が設置された空間に一体感をもたらすのは、会場のいたるところに置かれた木のベンチ。合計150個ほどもあるベンチは、佐藤研吾建築設計事務所を主宰する佐藤研吾さんを筆頭に、およそ10人のチームで制作したそうです。一つひとつ異なる形をしていて、人の手でつくられた柔らかい丸みに愛着がわいてきます。
資材には、「危険木」と呼ばれる、老朽化や激しい傾斜により伐採が必要となった樹木が用いられています。制作過程で出た木くずはまとめて大きな円形に配置され、これも一つの遊具のよう。ケヤキ、イチョウ、モミ、シイ、プラタナスなど、さまざまな種類の木が使われているため、近づくと木の良い香りが漂ってきます。
また、東京ミッドタウンのガレリア地下1階には、「PLAY EARTH PARK」期間限定のポップアップストアが開設されていて、「THE NORTH FACE」や「HELLY HANSEN」など、5つのブランドとのコラボレーションアイテムが販売されています。
会期中の土日や祝日には、都市における自然との関わりを考えながら、子どもも大人も楽しめるさまざまなワークショップ(無料)も開催されています。
半袖でも快適に過ごせる陽気の日が増え、外で遊びたくなる季節になりました。水分補給と休憩を十分にとりながら「PLAY EARTH PARK」でのびのびと遊びましょう。
また、次回のクリエイターインタビューでは、「PLAY EARTH PARK」の遊具を手掛けた、大野友資さんと山田紗子さんの対談を5月18日(水)に公開予定です。こちらもお楽しみに!
編集部 丹羽
会場:東京ミッドタウン 芝生広場
期間:2022年4月23日(土)~5月29日(日)
時間:11:00~18:00
料金:無料
主催:株式会社ゴールドウイン
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://playearthpark.goldwin.co.jp/
イベント詳細:
https://6mirai.tokyo-midtown.com/event/play_earth_park/index.html