現在、森アーツセンターギャラリーでは、世界最高水準の日本美術コレクションを誇るボストン美術館所蔵品の武者絵と秘蔵の刀剣が里帰りするボストン美術館所蔵「THE HEROES 刀剣×浮世絵-武者たちの物語」が開催されています。
世界有数の浮世絵コレクションで知られるボストン美術館。本展では、その所蔵品の中から菱川師宣、北尾政美、歌川国貞、歌川国芳、歌川広重、月岡芳年など、有名絵師の迫力のある武者絵118点を物語の時代に沿って紹介しています。
そもそも「武者絵」とは、「平家物語」のような軍記物語や武勇伝説に登場する英雄ヒーローを描いた絵画。戦国武将のほか、小説の中のヒーローやスサノオノミコトのような日本の神、巴御前のような女武者の奮戦も描かれています。いずれも保存状態が良く、摺られた当時の鮮やかな色彩が残っていました。
会場では、武者絵と共に武者絵と共通のイメージがデザインされた刀剣の鐔(つば)が展示されていて、武者絵の世界をより深く理解することができます。
写真1枚目は、歌川国貞が有名な牛若丸と弁慶の出会いを描いたもの。そのシーンを、刀剣の鐔に落とし込んだものが2枚目です。その場面がより立体的になると同時に、鐔になった際に限られたスペースで何をどのように描いているのかも見どころです。
展示はさらに続きます。ボストン美術館所蔵の約600口のコレクションより、平安時代の安綱から江戸時代末期まで、日本刀の歴史を概観できる作品を20口厳選。ケース越しとは言え、間近でその美しさを堪能することができます。
古来多くの人に愛されてきた武者絵の世界。江戸時代の人々は、絵を見ればすぐに何の話か分かったそうです。歴史好きはもちろん、苦手意識を持っている方も十分に楽しめるよう、公式サイトでは展覧会の内容がさらによく分かる紹介動画や、武者絵とそれにまつわるエピソードが紹介されています。ぜひあわせてご覧ください。
本展は東京での開催を終えた後、新潟、静岡、兵庫の会場へと向かいます。六本木に足を運ぶことが難しい方も、自分の住む街にヒーローたちが訪れるのを楽しみに待ってみてはいかがでしょうか。
編集部 高橋
ボストン美術館所蔵「THE HEROES 刀剣×浮世絵-武者たちの物語」
会場:六本木ヒルズ森タワー52階(東京都港区六本木6-10-1)
会期:2022年1月21日(金)~3月25日(金)
時間:10:00~20:00(火曜日のみ17:00まで)
※最終入館は閉館30分前まで
休館日:会期中無休
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://heroes.exhn.jp/top.html