21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー1&2では 2022年5月8日(日)まで、デザインとともに明日を創造していくための豊かな洞察(insight)を考える「2121年 Futures In-Sight」展が開催されています。
本展では、国内外の多彩な分野の第一線で活躍しているクリエイターに「Future Compass」という未来の羅針盤を渡して、実際に手でクルクルと回しながら3つの単語をつなげてもらい、そこから未来を考える上での問いを可視化してもらった作品が並びます。このコンパスは会場にも設置されているので、来場者も3つの単語を繋げて自身の未来への問いをたてることができます。
例えば、こちらは「How?」「Future」「Create」の3つ「どうやって未来をつくる?」の問いから出展された廣川玉枝氏の「Kimono Couture」。日本の伝統的な着物産業が次第に縮小していることに対し危機感を抱いた廣川氏が、着物の文化や技術を未来に継承していくためには伝統的な着物のデザインを現代のライフスタイルに寄り添う形に進化させることが必要だと考えてはじめたもので、デジタル技術と職人の伝統技術を融合させた新時代の和装となっています。
PARTYによる「Present」「How」「End?」から生まれた問いは、もし遠い未来を先に想像して、現在に向かって戻ってくるとしたら、近い未来はどのように想像できるか?というもの。人間が一般的に過去のデータや経験をもとに近い未来を予測していることに注目し、その逆転の発想を取り入れた乗り込み型のインスタレーションです。
展覧会ディレクターを務めるのは、テクノロジーが人類の文化やライフスタイルをいかに変えるのか、その未来を見据えた数多くの書籍や雑誌を手がける編集者の松島倫明氏。
本展について「過去の積み重ねの先にいまがあるように、未来を思い描くというその行為が、いまの私たちの意識や社会を形作っています。であるならば、"いま"を決定づけている未来とは何でしょうか? それを『未来を考えるための問い』というかたちで探ることが、本展の目的です」と明かしています。
松島氏も語っているように、本展には未来予測を披露するような「答え」は存在しません。あるのは「問い」であり、「未来を考えること自体を考える」こと自体が重要なことなのだと提示しています。皆さんも未来を考える行為に加担し、そこにどんな視座と洞察(insight)が込められているのかを探りにきてみてはいかがでしょうか?
2月23日(水)には本展を舞台にした「六本木、旅する美術教室」プロジェクトレポートが公開されます。公開をご期待ください。
編集部 高橋
「2121年 Futures In-Sight」展
会場:21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー1&2
会期:2021年12月21日(火)~2022年5月8日(日)
時間:11:00~18:00(入場は17:30まで)
※入場予約制の可能性あり
※2022年1月21日より当面の間、開館時間を短縮します
休館日:火曜日(5月3日は開館)
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
http://www.2121designsight.jp/program/2121/