六本木未来会議に登場してくれたクリエイターのみなさまが「クリエイションのスイッチを押してくれる一冊」として推薦してくれた本を紹介しています。紹介した本は、東京ミッドタウン・デザインハブのインターナショナル・デザイン・リエゾンセンター内で不定期開室されているリエゾンセンター・ライブラリーにてお読みいただけます。今回は、吉泉聡さんが選んだ『農民芸術概論』(宮沢賢治・著)
吉泉さんのコメント
とても難解な本で、僕もまだまだ理解できていないのですが、「職業芸術家は一度亡びねばならぬ」というような言葉が出てくるんです。労働とはそもそも生きることで、それを極めた先に美が立ち上がってきて、それが生きる芸術になる、と。宮沢賢治自身、さまざまな職業を経て最終的に農民になっていますが、本の中にある「農民」という言葉を「労働」に置き換えると、いろんな人や仕事に当てはまる感じもして。芸術というのは抜き出したり、日常と切り離したりしたところにあるのではなく、全部がひと続きになっているっていう視点は、今の時代にとても大切なんじゃないかなと思います。
詩人、科学者、宗教家として日本文学に大きな影響を与えた宮沢賢治が1926年に記した芸術論。十章にまとめられており、生涯唯一の芸術論となった。
クリエイティブ集団「graf」を率いる服部滋樹さんへのクリエイターインタビューをきっかけに実現した、「六本木未来会議BOOKキャラバン by 服部滋樹」のプロジェクトレポートも公開中。併せてお読みください。
吉泉聡さんのインタビューはこちら
クリエイターインタビュー #131
吉泉聡(デザイナー)
https://6mirai.tokyo-midtown.com/interview/131_01/