現在、東京ミッドタウンと六本木ヒルズでは、クリスマスイベントが開催されています。本レポートでは、それぞれのエリアでクリエイターが手掛けたインスタレーション作品などを中心に見どころをご紹介していきます。
まずは東京ミッドタウンの「MIDTOWN CHRISTMAS 2021」から。今年のコンセプトは"VIVID"。日々変化し様々なことが起きる中「今年のクリスマスは色鮮やかで輝くような笑顔溢れる時間を過ごしてほしい」という思いが込められています。
8万㎥という広大なエリアに渡る東京ミッドタウンの館内クリスマスインスタレーション「Color Jungle」を手掛けたのは、小林弘和と山田春奈のクリエイティブユニット「SPREAD」。活力の宿る森・水・光の流れをモチーフに彩色された3つのエリアが楽しめます。今回のためだけに、特別に染色をしたカラフルな布を吊り上げて作られた本作。全部の布の長さをあわせるとなんと6kmもあるそうです。
森のエリアでは上のすぼまっている部分を1本のツリーに見立てており、1本につき2色の布しか使っていないにも関わらず、光を受けて様々なVIVIDな色合いが楽しめました。エリアだけでなく、階ごとに違う見え方も注目ポイントの1つ。吊り上げる順番が作品の鍵になるため、大型の模型をつくって何度もシミュレーションを行ったそうです。
「模型で検証はしましたが、実際の大きさと素材で吊るまではどのような見た目になるのか不安がありました」と小林氏。「でも、やってみたらすごく綺麗で。重力が自然なたるみや曲線をつくってくれたんです。"デザイン"とか"ものづくり"とか、固く考え過ぎてたんじゃないかな?と思ってしまうほどでした」と制作秘話を明かしました。
躍動的な景色は、芝生広場のスケートリンクまで続きます。夜は氷上をキャンバスに見立てた色鮮やかな光の演出が加わるため、ここでは昼夜それぞれのVIVIDを堪能できます。
お次は六本木ヒルズ。今年で15年目を迎える六本木ヒルズの冬恒例イベント「クリスマスマーケット 2021」では、世界最大と言われるドイツ・シュツットガルトのクリスマスマーケットを再現。計7店舗が立ち並び、クリスマス雑貨や本格ドイツ料理を展開しています。
ウェストウォークには、チョコレートのボンボンショコラをイメージしたクリスマスツリー「Bon-Bon Blossom」が登場。それぞれのボンボンは、ロスフラワー(イベント等の中止により廃棄予定となっていた花材)を再活用したドライフラワーで全面が覆われていました。
本作を手掛けた吉本英樹は「アイデアを練る上で、コロナ禍という世の中の状況は無視できなかった」と振り返ります。「捨てられる運命だった花々が、再び私たちに美しい姿を見せてくれているという背景からも、何か感じてもらえることがあるのではと思っています」とコメントを寄せています。
66プラザには、 "LOVE IS ALL"をテーマに、象徴的なレッドを用いた約10メートルのカルティエのクリスマスツリーが登場。思わず写真を撮りたくなるようなフォトスポットでは、カルティエに縁のある日本の"フレンズ オブ メゾン"12名が「LOVE IS (あなたにとっての愛とは?)」を語る映像が流れています。
ここでご紹介したインスタレーションのほか、周辺美術館やギャラリーでも開催中の展覧会も数多くありますのでクリスマス期間もクリエイションを感じる六本木を楽しんでみてはいかがでしょうか。
編集部 高橋
MIDTOWN CHRISTMAS 2021
会場:東京ミッドタウン各所
会期:2021年11月18日(木)~12月25日(土)
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://www.tokyo-midtown.com/jp/event/xmas/
ROPPONGI HILLS CHRISTMAS 2021
会場:六本木ヒルズ各所
会期:2021年11月10日(水)~12月25日(土)
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://www.roppongihills.com/sp/christmas/2021/