現在、東京ミッドタウン・デザインハブ「GOOD DESIGN EXHIBITION 2021」にて、2021年度の「グッドデザイン賞」を受賞した全件および「グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」受賞作のほか、その中でも独自性、提案性、審美性、完成度などの面において、特に優れた対象として位置づけられる「グッドデザイン・ベスト100」に選ばれたデザインが展示されています。
本年の「グッドデザイン大賞」に選ばれたのは [遠隔勤務来店が可能な「分身ロボットカフェDAWN ver.β」と分身ロボットOriHime] 。遠隔操作デバイスである分身ロボットOriHimeの開発と、ロボットを活用したカフェの取り組みです。
障害や病気を抱えた外出困難者が、ロボットを遠隔操作することで、自宅から接客を実施。カフェが企業との採用マッチングの場および社会経験の少ない障害者の就業訓練の場としての役割を併せ持ち、実際に一般企業での恒常的な就労に繋がる事例もすでに多く実現している点が高く評価されました。
株式会社オリィ研究所代表である吉藤健太朗氏は「病気、障がいだけでなく事故や老化で体が動かなくなった時、その先をどうやって生きていくのか、社会への参加方法をしっかり作っていくことが大切だと思っています。今後、様々なテクノロジーが進化する中で、自分らしく生きる選択肢が広がるきっかけになれば嬉しいです。日本だけでなく、世界にもこういった生き方を提案していければ」とコメントを寄せています。
本年度のグッドデザイン賞受賞結果は以下のとおり。
(カッコ内:対前年比)
受賞件数:1,608件(+213)
受賞企業数:1,101社(+127)
審査対象数:5,835件(+1,066)
10月20日(水)に行われたグッドデザイン賞受賞発表会では、審査委員長である安次富隆氏と審査副委員長である齋藤精一氏が登壇。
今年のテーマは「希求と交動」ですが、その選定理由について安次富審査委員長は「コロナ禍によって半ば強制的に私たちの行動が制限されるようになりましたが、そういう状況の中、今までなかなか聞き取ることのできなかった人々や自然の"小さな声"が注目されるようになりました。
そして、そういった"小さな声"が希(こいねが)う気持ちを、世の中がだんだんと汲み取れるようになってきているのではないでしょうか?それらを交えて動くことの重要性を感じ、今年はこのテーマに決めました」と明かしています。
続けて齋藤審査副委員長も「希求と交動という2つのキーワードを出したことで、社会がどの方向に向かっていくべきなのか、そしてそれらを語るだけでなくどう行動に落とし込んでいくべきなのかが実践されていました。
今日、一歩を踏み出していくのが必要な時代だと感じています。そういった状況の中で生まれたデザインを、それぞれの目で見つけていただければと思います」と、「GOOD DESIGN EXHIBITION 2021」の見どころを明かしています。
今年度の受賞デザインに触れることで、いま時代に求められているデザインを見つめ、これからのデザインのあり方について考えてみてはいかがでしょうか?
編集部 高橋
東京ミッドタウン・デザインハブ 第93回企画展
GOOD DESIGN EXHIBITION 2021
会場:東京ミッドタウン・デザインハブ
会期:2021年10月20日(水)~11月21日(日)
※当展示は事前予約制です。2021年度グッドデザイン賞の受賞プロモーション公式ウェブサイトGOOD DESIGN SHOW 2021にて受け付けています。
開館時間:11:00~19:00
観覧料:無料
公式サイトで詳細を見る(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://designhub.jp/exhibitions/7132/