現在、六本木ヒルズA/Dギャラリーでは、イラストレーターとしてのキャリアを経て、2014年頃より「畏怖・生死・循環」をテーマに、コンセプチュアルな作品の発表を始めたアーティストfeebeeの個展が開催されています。
伝説や神話に登場する神獣などのキャラクターには人間の精神構造や社会の構造とあわせて未知なる物への態度が現れる、と考えているfeebeeは、それらを現代の目線で再構築した作品を描いています。
本展では2014年より取り組んでいる、十二支を1匹の獣として描く「十二支の獣」シリーズなどの絵画作品を中心に、過去最大の総数30点程の作品が展示されています。
《十二支の獣》は、江戸時代後期の浮世絵師、遠浪斎重光の十二支を一匹の獣として描いた《寿という獣》をモチーフに制作された作品で、2018年に作成されたものです。その年の干支は犬でしたが、頭部に3つの頭を持つ犬「ケルベロス」をモチーフとすることで、個人や社会が形成され変化してゆく様子をより意識的に描いているそうです。
壁にずらりと並ぶのは、《変化しつつ循環するもの》のシリーズ。子から亥までが1枚ずつ展示されていますが、よく見ると「兎」とタイトルがついていても、尻尾がヘビだったり、前足が馬だったり...。見れば見るほど新しい発見が生まれます。
《変化しつつ循環するもの》のシリーズを見ていくと、次に現れるのは展示作品の中でもひときわ大きい、3.4m越えの《The Great Transformation》。干支に入れてもらえなかった猫がどの動物よりも大きく描かれているのは、なんとも面白いですね。
「変化しつつ循環するもの」。feebeeの個性的な作品を通して2020年の振り返りを、そして2021年へのヒントを見つけられるような展覧会でした。
編集部 高橋
変化しつつ循環するもの
会場:六本木ヒルズA/Dギャラリー
会期:2020年12月11日(金)~2021年1月3日(日)
開場時間:12:00~20:00
※ただし12月31日(木)~1月3日(日)は12:00~19:00
入場料金:無料
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://art-view.roppongihills.com/jp/shop/adgallery/feebee/index.html