現在、森アーツセンターギャラリーでは「ミッキーマウス展 THE TRUE ORIGINAL & BEYOND」が開催されています。1928年にスクリーンデビューして以来、世界中の人に愛されているミッキーマウス。
会場は「原点=THE ORIGIN」、「現代=THE TRUE ORIGINAL」、「未来=& BEYOND」の3つのゾーンで構成されており、時代に合わせて変化し続け、常に先の未来を牽引しているミッキーマウスの進化を展望しています。
最初のブースには、まさにミッキーマウスの原点である1928年のアニメーション『蒸気船ウィリー』が展示されています。この作品は、キャラクターの動きに音楽が同期した世界初の短編トーキーアニメーション。その映像を見ると、90年前のアニメーションが、今も変わらず見る者を楽しませてくれることに驚きを覚えます。
こちらは、1940年に公開された不朽の名作『ファンタジア』。本展ではこの作品を、最先端技術を駆使した新しい演出で見ることができます。
今では当たり前の音響システムである「音楽に動きを同期させる」技術や「音楽の視覚化」は、当時ではまったく新しいアイデアでした。この展示は、常に最高のエンターテインメントを届けるために最先端の技術と情熱で挑み続けたウォルトへのリスペクトとも言えます。
「現代=THE TRUE ORIGINAL」では、2018年~2019年にミッキーマウスのスクリーンデビュー90周年を記念して、ニューヨークで開催された展覧会「MICKEY: THE TRUE ORIGINAL」より、選りすぐりの作品群が日本初お披露目となりました。
ディズニーキャラクターが登場するロールプレイングゲーム「KINGDOM HEARTS」で知られる野村哲也のオリジナルスケッチもその1つ。ミッキーのほかに、ジミニー・クリケットやプルートの姿もありました。
そして「未来」のブースには、米国のウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオを代表する5名のアーティストが描いたミッキーマウスと、各ジャンルの第⼀線で活躍する5人の若手日本人アーティスト(大島智子、河村康輔、添田奈那、万美、WAKU)が創造した"誰もみたことがない、まったく新しいミッキーマウス"が展示されています。
河村康輔の"Untitled"は巨大な『ファンタジア』のミッキーマウスの顔と手の部分を、たくさんの花で描きました。一部をシルエットのみで表現することにより、それぞれのミッキーマウスのイメージをそこに見つけて欲しいという願いが込められています。
そして書道家 万美の"Zen Mickey"は、ミッキーマウスを漢字として捉えた作品。丸3つというほぼ究極に単純化していながら、多くの人がこの「漢字」を「ミッキーマウス」と読めるだろうということは、まさにミッキーマウスは世界の共通言語、といったところでしょうか。
この作品を仕上げるまでに約200枚書き、最終的に残った6枚の中から「一番ワクワクさせられるような気持ちが出ている」作品を選んだそうです。また、この空間は茶室を表しているのですが、これについて万美は「茶室のおもてなしの心はディズニーランドの精神に通ずるものがある」とコメントしています。
出口付近にはウォルト・ディズニーの"いつだって忘れないでほしい。すべて一匹のねずみから始まったということを。"という言葉が掲げられていました。たった一匹のねずみから始まったディズニーの世界は、これからも私たちに想像の大切さを教え、インスピレーションを与え続けてくれることでしょう。
編集部 月島
「ミッキーマウス展 THE TRUE ORIGINAL & BEYOND」
会場:森アーツセンターギャラリー
会期:2020年10月30日(金)~ 2021年1月11日(月・祝)
時間:10:00~20:00
※火曜日は17:00まで(11月3日、12月29日、1月5日は除く)
※入館は閉館時間の30分前まで
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://mtob.exhibit.jp/index.html