東京ミッドタウン・デザインハブでは、11月3日(火・祝)まで 第88回企画展 2020年度グッドデザイン賞「グッドデザイン・ベスト100」が開催されています。本展では、10月1日(木)に発表された2020年度グッドデザイン賞から、審査委員から高い評価を得て選出された100点のデザインが展示、紹介されています。
今年度のグッドデザイン賞のテーマは「交感」。デザインにおいて他者や社会、環境などについて考え、それに応えるだけでなく、互いの感覚や感性、感思や感得を交えることが求められました。ベスト100は、グッドデザイン賞受賞対象の中で、審査委員会から特に高い評価を得た100つのデザイン。グッドデザイン金賞など特別賞の候補でもあります。
2020年は、新型コロナウイルス感染症で社会が大きな影響を受けた年となりましたが、昨年とほぼ同数の4,000件を超える応募があったそうです。審査側では、ヒアリング審査をリモートで行うなど、新しい試みも行われました。
ベスト100の中にはビデオ会議システム「ZOOM」や「東京都新型コロナウイルス感染症対策サイト」など、まさに時代を反映したものも。「ZOOM」はビジネスだけではく、オンライン飲み会などにも使われ、世界中にその名を広めました。
時代を反映しているといえば、こちらのレジ袋・買い物袋「バイオライメックスバッグ」も見逃せません。7月1日(水)より全国的にプラスチック製買物袋が有料化されましたが、こちらはプラスチックでも紙袋でもない、石と植物から生まれた新しい袋。安価な石灰岩を主原料とし、既存のビニール袋の製造機がそのまま使用できる点も注目を集めました。
展示を見ていると、どこからか「きゅうきゅう」と動物のような鳴き声が。声のする方に足を運ぶと「LOVOT」が姿を現しました。従来のロボットの持つ効率や便利さでなく、LOVEをはぐくむことを目的として生まれた家庭型のロボット「LOVOT」は、愛するちからを引き出し、明日に向かうエネルギーを与えてくれます。世界的に孤独や新型コロナウイルス感染症による精神的なストレスが問題視される中、社会的にも意義のあるプロダクトとして評価を得ました。
このほかにも未来を明るくするヒントが詰まったデザインがたくさん。本年は「グッドデザイン賞受賞展」の開催がないため、本展が受賞デザインの一部を実際に見ることができる貴重な機会となっています。
2020年度のグッドデザイン賞審査委員長の安次富隆氏は「すべてのグッドデザイン賞受賞対象に通じ合い、お互いを高め合う"連関"を意識してみることで、これからの未来を拓く原動力が生まれることを期待しています」とコメントを寄せています。
10月30日(金)に発表となった2020年度のグッドデザイン大賞は、WOTA株式会社の自律分散型水循環システム [WOTA BOX]に決定。世界初の「持ち運べる水再生処理プラント」として、生活排水を98%以上再利用し、上下水道いらずの水利用を可能にしました。
審査委員らは「災害時を超え、人と水と環境の関係を変える新たなインフラを育ててゆかれることを期待したい」とコメントを寄せています。六本木未来会議では発表会の様子を後日レポート予定。楽しみにお待ちください。
編集部 高橋
東京ミッドタウン・デザインハブ第88回企画展
2020年度グッドデザイン賞「グッドデザイン・ベスト100」
会場:東京ミッドタウン・デザインハブ
会期:2020年10月1日(木)~11月3日(火・祝)
開館時間:11:00~19:00
観覧料:無料
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://designhub.jp/exhibitions/6338/