東京ミッドタウン・デザインハブでは、9月27日(日)まで「ゼミ展2020 見のがし卒展」が開催されています。様々な教育機関の美術・デザイン系ゼミ/クラスで行われている課題と作品を通して、デザイン教育の現場を紹介する企画展「ゼミ展」ですが、今年は1週間ごとに2ゼミ/クラスずつ展示する「見のがし卒展」として特別開催されました。
取材に訪れたのは、「多摩美術大学 生産デザイン学科テキスタイルデザイン専攻 及び 大学院美術研究科デザイン専攻テキスタイルデザイン領域」「武蔵野美術大学 造形学部 基礎デザイン学科」の作品が展示されていた第1期(9月8日~9月13日)。見逃してしまった方も、そうでない方もぜひご覧ください。
竹内瑠奈さんによる「コンポジションとストラクチャー」は、下に置かれた平面な布と、釣り上げられ空気を孕んだ立体の布を同時に展示した作品。平面と立体の対比が面白く、何度も見比べてしまいました。
竹内さんは「流動する時間や空間の中で、いつも柔軟であることこそ布の最大の魅力だと思います」と布への思いを語っています。
テグス、針金、刺繍糸などが絡まり複雑な形を成しているのは横井菜穂さんの「DISTANCE」。機械・自動化が進んで世の中が便利になる一方で、こうした発展が自身と肉体との関係をより希薄にしているのではないか?という点に着目。現代社会への危惧から身体の動きをイメージした立体を制作したそうです。
こちらは、百目鬼多恵さんによる「Applied Apples」。リンゴのかたち(形態/色/テクスチャー)が適用された果実や野菜を造形することで、見慣れたリンゴを未知化し、新しい眼差しを生み出す試みです。担当教員である原研哉氏は「これは人間の記憶に潜むイマジネーションの生成原理を探り当てていくデザインアプローチではないだろうか」とコメントしています。
今回ご紹介したのは第1期(9月8日~9月13日)の作品でしたが、現在は第3期(9月22日~9月27日)の「東京大学 工学部 社会基盤学科 交通・都市・国土学研究室」 「東北大学 都市・建築デザイン学講座/都市・建築計画学講座」の作品が展示されています。
なかなか知ることのできないゼミ/クラスでのそれぞれの学び。その集大成を、東京ミッドタウン・デザインハブに見に来てみてはいかがでしょうか。
編集部 高橋
東京ミッドタウン・デザインハブ第87回企画展
ゼミ展2020 見のがし卒展
会場:東京ミッドタウン・デザインハブ
会期:2020年9月8日 (火) ~9月27日(日)
開館時間:11:00~19:00
※月曜休館/各期の最終日は17:00まで
観覧料:無料
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://designhub.jp/exhibitions/6288/