今年で13回目となる「TOKYO MIDTOWN AWARD」は、東京ミッドタウンが「"JAPAN VALUE(新しい日本の価値・感性・才能)"を創造・結集し、世界に発信し続ける街」をコンセプトに、才能あるデザイナーやアーティストとの出会い、応援、コラボレーションを目指して、デザインコンぺとアートコンペの2部門で開催するコンペティションです。
アートコンペ2020では、大巻伸嗣さん、金島隆弘さん、川上典李子さん、クワクボリョウタさん、鈴木康広さんが審査員を務め、作品だけではなく、アイデアや作品を生み出すことのできる「人」にもフォーカスして審査が行われます。アートコンペに応募があった279点の中から、1次審査(書類審査)、2次審査(オンラインプレゼンテーション)を経て、最終審査に進む6作家が決定しました。
最終審査は、実際にできあがった作品の実物審査で、2020年9月29日(火)に東京ミッドタウンにて開催予定。6名の作家は、現在、最終審査に向けて作品を制作中とのこと。実際に東京ミッドタウンのパブリックスペースプラザに設置される作品から、グランプリ、準グランプリ、優秀賞が発表されるのは、2020年10月16日(金)。厳しい審査を勝ち抜いた6名の作家に注目です!
◆最終審査に進む6作品(作家名50音順)
作品名:郊外観光 ~Time capsule media 3
作家名:川田知志(かわたさとし)
職業:アーティスト
作品コンセプト:
建築と都市の関わりや身近な社会、生活環境に注目し、公共空間を利用した壁画やインスタレーションを制作しています。今回、郊外の景色を都心に持ち込みます。経年劣化により偶然剥がれたトタン壁面の裏側に、過去でもあり同時に未来でもあるどこかの景色を覗かせ、現在都心で暮らす人々の記憶する地場へ接続します。
作品名:Floating surface
作家名:坂本洋一(さかもとよういち)
職業:アーティスト
作品コンセプト:
細いワイヤー状の矩形を 4つの頂点をテグスで吊り制御されたウィンチによって各頂点をそれぞれ上下させます。 歪めた形状により展示場所の70cmの奥行きよりも広く感じるようになります。 テグスは、波の動きのように大きく上下に動き矩形が波面に浮かんでいるような動きをします。 鑑賞者は、ダイナミックに動く矩形やパースの歪みに生じる奥行き感、 見る位置に印象が変化することを体感できる作品にします。
作品名:拠り所の行方
作家名:佐野魁(さのかい)
職業:アーティスト
作品コンセプト:
まるで宇宙空間にいるかのように家やビルが中に浮かんでいる。
木炭により描かれたこれらのイメージは、フィクションであると同時にひび割れたコンクリートから現実としてのリアリティーが感じられ、観る者は現実と空想の間を行き来する。強固な素材の「コンクリート」と安息の場所である「家」という私たちの生活の中で安全性が確保されたものに、強い揺さぶりをかけることで明日にも変わるかもしれない都市の不安定さを表現した。
応募作品名:つながり
作家名:船越菫(ふなこしすみれ)
職業:学生
作品コンセプト:
人の肌が大地の起伏に相似する瞬間があるように、光の陰影が生むつながりは自然における事物の関係性そのものをもあらわすようだ。日常の自然の中の光を色彩へと解体し、感情を伴う記憶へと変容させる。東京ミッドタウンという、自然と都市が一つに融合した空間とつながり合うこの作品から、近年失われつつある人と人/人と自然の美しい「つながり」、自身と外界との本来的な「つながり」を思い出してほしい。
作品名:Where Are We Going?
作家名:山本千愛(やまもとちあき)
職業:アーティスト
作品コンセプト:
12フィートの木材を都内で購入し、それを持って東京都港区を歩く。木材は東京のアスファルトによって削られ、両端が尖っていく。木材が削れた分、歩くに関する私の経験値が蓄積されていく。目にはみることができない。
あらゆる公共交通機関が一堂に介する東京で、この木材を手に持って移動したいとき、歩くことしか選択できない。果たして本当に選べないのだろうか。選べたとして、私たちはどこへ向かおうとしているのだろう。
作品名:微かにつながる
作家名:和田裕美子(わだゆみこ)
職業:アーティスト
作品コンセプト:
きっと髪の毛には、その人の記憶や想いがつまっている。たくさんの人の髪の毛を編んでひとつにつなげることで、知らない誰かとつながるとともに、いつかは忘れ去られてしまうような様々な想いをつなぎとめておきたい。お互いの存在に目を向けずに忙しく行き交うなかで、一瞬でも他人の存在を感じてもらえたらと思う。
TOKYO MIDTOWN AWARD公式サイトでは各作品への審査員コメントや、2次審査への審査員総評も掲載されています。ぜひ覗いてみてください。
編集部 高橋
TOKYO MIDTOWN AWARD 2020
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://www.tokyo-midtown.com/jp/award/