六本木未来会議に登場してくれたクリエイターのみなさまが「クリエイションのスイッチを押してくれる一冊」として推薦してくれた本を紹介しています。紹介した本は、東京ミッドタウン・デザインハブのインターナショナル・デザイン・リエゾンセンター内で不定期開室されているリエゾンセンター・ライブラリーにてお読みいただけます。今回は、山本太郎さんが選んだ『逝きし世の面影』(著:渡辺京二/平凡社)。
山本さんのコメント
私たちの目には、日本の伝統文化はとても真面目で堅苦しく見えている側面があると思うのですが、そんな想像とはまったく違う当時の世界を知ることができる書籍です。例えば、日本人は、子どものしつけに厳しく、勤勉なイメージがありますが、実は外国人が残した文書には、大人が子どもを怒っている姿を見たことがなく、むしろ一緒に遊んでいると書かれている。また、仕事中には常に歌を歌い、休憩をしながらのんびりと働いている、と。その平穏でのほほんとした世界は、どこか私の中で、自分が描いている絵や活動とリンクするんです。
幕末から明治にかけて日本を訪れた外国人が見た日本、そして日本人の生活や風習などを記した文書を渡辺京二氏が読破。その中で見えてきた、近代の日本が失ったものの意味を根本から問い直した超大作。1999年度和辻哲郎文化賞受賞。
クリエイティブ集団「graf」を率いる服部滋樹さんへのクリエイターインタビューをきっかけに実現した、「六本木未来会議BOOKキャラバン by 服部滋樹」のプロジェクトレポートも公開中。併せてお読みください。
山本太郎さんのインタビューはこちら
クリエイターインタビュー #119
山本太郎(美術家)
https://6mirai.tokyo-midtown.com/interview/119_01/