新型コロナウイルスの感染拡大によって私たちの生活はがらりと変わりました。うちにいよう、みんなで笑いあえる日まで「STAY HOME」が合言葉。みんなでこの時を大切に、命や未来を守るためにそれぞれが"今"できることを行い、外で働く人たちを応援したい。
私たち一人ひとりにできることは・・・、このような状況の中、未来へ向かって前進しようと模索するクリエイターがいます。六本木未来会議では、こんな時期だからこそ、未来に向けて活動しているクリエイターのみなさまの情報をお届けします。
■ 吉岡徳仁 デザイナー
「感染症の現場で闘う医療従事者の方々へ、心から感謝と敬意を表します。
世界的に医療物資が不足している中、非常時に簡単に作ることができる、フェイスシールドを考えました。一人でも多くの医療従事者の方々のお役に立つことができれば幸いです。」
医療現場の方への感謝の言葉から始まる吉岡さんのメッセージは心に響きました。吉岡さんが考案した「Easy-to-make FACE SHIELD」は最前線で戦う医療従事者へ向けた、簡単に手作りできるフェイスシールド。
便利なものがあふれる中で育った私たちは、物が不足したら不安でたまらなくなります。そんな時、「なければ創意工夫しながら生み出していく」、そんなスタンスで活動するクリエイターは最高に心強い存在です。簡単に作れる凛とした印象のフェイスシールドの作り方は、吉岡さんの公式Twitterで紹介されています。
SNS:
https://twitter.com/TokujinYoshioka/status/1249910769564581888
■ 廣川玉枝 ファッションデザイナー
私たちが健康を保つために、今、手元にあってほしいマスク。しかし、品薄状態が解消されるのはまだ先のようです。この状況を打開しようと、様々な企業やクリエイターが「マスク」を作りはじめました。「今の社会状況をみると、服飾産業は製造業として医療部外のマスクを作り、助ける必要がある」と考えた廣川さんもその一人。
廣川さんは、自身の手掛けるブランド「SOMARTA(ソマルタ)」のアトリエにて、手作りマスクの量産を開始しています。すでに生地が手に入りにくい状況の中、廣川さんはアトリエにあった残布や副資材を組み合わせ「SOMARTA "SKIN" MASK」を作り出しました。このマスクは、無縫製で作る同ブランドの「スキンシリーズ」の生地を三層構造にしたもの。デザイン性にも優れ、さながら"着るマスク"といった印象です。
着物文化を持つことから、絲づくりからはじまる多くのテキスタイルメーカー、縫製工場、あらゆる服飾産業が生産地として揃っている日本。海外では布マスクの生産すら困難な状況となっている今こそ、"モノづくりの国"の真髄を発揮する時です。廣川さんは「少しの力が沢山集まれば、世界の命を助ける大きな力になる」と発信しています。
SNS:
https://twitter.com/SOMARTA_JP/status/1247080092804644871?s=20
https://twitter.com/tamaehirokawa/status/1246435586568630273
■ Whatever
「テレワーク」という言葉が身近になり、オンラインミーティングだけでなくオンライン飲み会や交流会も企画されたりするようになり、人と画面越しに対面する機会が増えてきました。同時に、オンラインでのビデオ会議ができる人気アプリ「Zoom」もより知られる存在に。
クリエイティブスタジオWhateverは、「Zoom」を使う際に「もっと豊かに気持ちを表現することができるように」と、カメラに映る自分の背景を自由に変更できる「Zoomoji」を開発しました。用意されているのは、SNSで使うような絵文字シリーズと「ドキドキ」「ガーン」などの漫画表現のシリーズの2種類。これをダウンロードし、「Zoom」での会話内容や気分に合わせて切り替えることで、豊かに気持ちを表現し、視覚的に伝えることができるようになります。
画面越しだから、いつもよりちょっと気持ちが伝わりにくいかもしれない。「ソーシャル・ディスタンス」を取りながらも、心はそばにいたい。弱点を楽しくプラスに変える発想は、コミュニケーションに新たな風を吹き込んでくれそうです。
公式サイト:
https://whatever.co/post/zoomoji/
■ 川田十夢 AR三兄弟
観光、スポーツ、音楽業界、演劇ほか、今、エンターテインメント業界は壊滅状態にあります。先の見えない状況を打開しようと配信などを使って試行錯誤し、知ってもらうチャンスととらえて映像公開などの取り組みをするところも増えてきました。
ジャンルとメディアを横断し、AR(拡張現実)技術を駆使したエンターテインメントの企画・開発などを行う川田さんは、企画開発ユニット「AR三兄弟」として、劇場でできないコントを、インターネット上で再現することを考えているようです。仮想現実の中で、仲間とコントを・・・? お客さんも客席に座れる・・・? アイデアを重ねていけば、現実的には不可能なことでも、拡張現実的には可能になる時代が来ています。
今だからこそ、開くべき劇場が、伝えるべきユーモアがあると考えている川田さんは、「以降の芸能のヒントになれば幸い」と、技術の開発に急いでいます。最近発売されたばかりの川田さんの著書「拡張現実的」(講談社)には、未来を切り開くアイデアがたっぷり詰まっているので、ぜひ一読してみては。
SNS:
https://twitter.com/cmrr_xxx
どんな状況でも、クリエイターから湧き上がるアイデアが消えることはありません。今は自分にできることを一人ひとりが実践して、「よりよい未来」に思いを巡らせてみては?
六本木未来会議 編集部