21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2では、2020年3月8日(日)まで、「㊙展 めったに見られないデザイナー達の原画」が開催されています。本展では、日本デザインコミッティーのメンバーの創作過程で生まれたスケッチ、図面、模型といった「原画」を展示。通常、目にすることのない資料に触れることができる、貴重な機会となっています。
松屋銀座に拠点を置く日本デザインコミッティーは、1953年に設立されました。現在は、40代から90代までの幅広い世代から各分野を代表するデザイナー、建築家、評論家たち26名が参加しています。
最初に展示されているのは歴代のポスターや告知DMたち。これらは年代別にまとめられているため、時代ごとにデザインの移り変わりを辿っていけます。また、日本デザインコミッティーの活動紹介や年表も展示されており、その長い歴史が詰まったエリアとなっています。
映像展示「原画が生まれるところ」では、原研哉氏、伊藤隆道氏、鈴木康広氏、山中俊治氏の製作の様子が映し出されます。タイトルのとおり、原画が生み出されるその現場を垣間見ることができます。
映像展示の次には、原画展示のエリアが広がります。佐藤卓氏の展示では、本展の会場であり、自らが館長を務める21_21 DESIGN SIGHTをはじめとしたロゴのスケッチに加え、実際に使われたメモ用紙が並んでいます。「六本木未来大学」の授業でも取り上げていた『ロッテ キシリトールガム』のロゴ製作の裏側が見られるのは、きっと本展だけでしょう。
こちらは2020年3月開業予定の高輪ゲートウェイ駅の模型が置かれた隈研吾氏の展示。模型のパターンは複数にわたっており、最終形に行き着くまでの長い道のりがうかがえます。そして模型と同じ程に目を引くのが、敷き詰められた無数のメモ。一つの建築デザインの完成にはこれだけの思考を重ねる必要があるのだと、視覚的にも感じとれます。
このほか、面出薫氏が「東京駅丸の内駅舎ライトアッププロジェクト 2012」で使用したスタディモデルでは観覧者が自由に照明の角度を動かせたり、深澤直人氏の資料の中にはチェアを製作している最中を切り取った写真が並んでいたりと、「原画」の内容もデザイナーによってさまざまです。
展示数が非常に多い原画展示ですが、鑑賞する際のガイドとして「6つの見方」が書いてあります。「分野ごとの方法の違いを見る」「デザイナーごとの方法の違いを見る」といった視点が紹介されており、本展をさらに楽しむヒントとなっています。
また本展に参加するメンバーへのインタビューがポッドキャストで配信されていたり、会期中には、次世代のデザイナーを招いたトークイベントなどが行われているので、公式サイトでぜひチェックしてみてください。
編集部 森
「㊙展 めったに見られないデザイナー達の原画」
会場:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2
会期:2019年11月22日(金)~2020年3月8日(日)
開催時間:10:00~19:00(入場は18:30まで)
休館日:火曜日(2月11日は開館)
観覧料:一般1,200 円、大学生800円、高校生500円、中学生以下無料
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
http://www.2121designsight.jp/program/inspiration/