2019年10月31日(木)より東京ミッドタウンにて、60年以上続く「グッドデザイン賞」の最新受賞デザイン約1,400件が集結する「2019年度グッドデザイン賞受賞展」が開催されています。
初日の10月31日(木)には、ファイナリスト5件の中からグッドデザイン大賞が決定。本年は富士フイルム株式会社による「結核迅速診断キット」が同賞を受賞しました。
本作はHIV感染者など結核罹患の可能性が高い人々の診断を可能にする結核診断用検査キット。結核は、世界で年間160万人が死亡、HIV感染者の一番の死因でもあります。富士フイルム株式会社は写真現像の「銀増幅技術」を応用し、尿中の僅かな成分から結核菌の存在を判定することで、早期治療に繋げることを可能にしました。電源や装置を用いない簡単確実な検査を実現した点に、注目が集まっています。
本年度のグッドデザイン賞受賞結果は以下のとおり。
(カッコ内:対前年比)
受賞件数:1,420件(+67件)
受賞企業数:940社(-5社)
審査対象数:4,772件(-17件)
10月2日(水)に行われたグッドデザイン賞受賞発表会では、審査委員長である柴田文江氏と審査副委員長である齋藤精一氏が登壇。
今年の審査でテーマとなったのは「美しさ」と「共振力」。柴田審査委員長は「そのデザインが、暮らしや社会にどうやって何をもたらしてくれるのかを汲み取りながら審査を行いました。今年は美しさに加え、共振力がキーワードとなりましたが、いいデザインにはやはり強い共振力があり、新しい未来を見せてくれるような可能性がたくさんありました」とコメント。
続けて、去年に比べ「パブリックにおけるデザイン」に秀逸なものが多かったと話しました。「これまでもいいデザインはありましたが、今年はより優れたものが集まりました。いいデザインがパブリックなところまで行き届いてきたからこそだと思います」と感動の思いを言葉にしました。
斎藤審査副委員長は、選出について「業界をまたいで、深い議論を行いました。我々が直面している問題は待ったなしのものが多く、議論中にもたくさんの課題があがりました。一人でも多くの人にデザインを通してそれらを知っていただければと思います」と熱い思いを明かしました。
「2019年度グッドデザイン賞受賞展」会期中は様々なグッドデザインが勢揃いするほか、審査の軌跡を知ることができる映像や、時代と共に変化する価値観をこえて、スタンダードであり続ける力を持ったデザインに贈られる「グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」の展示、"最新"のデザインが手に入るポップアップストアも登場します。5日間という短い期間ですが、ぜひ訪れてみてください。
編集部 高橋
2019年度グッドデザイン賞受賞展
会場:東京ミッドタウン各所(東京都港区赤坂9-7-1)
会期:2019年10月31日(木)~11月4日(月・祝)
開館時間:11:00~20:00(最終日 18:00まで / 入場は閉館30分前まで)
観覧料:無料
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
http://archive.g-mark.org/gde/2019/index.html