六本木未来会議に登場してくれたクリエイターのみなさまが「クリエイションのスイッチを押してくれる一冊」として推薦してくれた本を紹介していきます(紹介する本の一部は2014年に開催した「森の学校」の図書室と、2015年に開催した「六本木ブックフェス」、2016年に開催した「六本木未来会議BOOKキャラバン」でも展示したものです)。今回は、鈴木啓太さんが選んだ『繁栄 明日を切り拓くための人類10万年史』(著・マット・リドレー/ハヤカワ・ノンフィクション文庫)。
鈴木さんのコメント
人類のものづくりが、原始から現代に至るまでどんなふうに変わってきたのか解説した本なのですが、ものの歴史は長い時間の中で見ていくと、堅実にしか歩んでいかないことがよくわかります。物事はいろんな相関関係の中で理由があって進んでいくのだということが書いてあって、別にデザイナー向けの本ではないのですが、これを読むと「焦らず着実にいいものをつくっていこう」と思えるんですよ。先人がそうやってものの歴史を一歩ずつ進めてきたのだから、自分もそうでありたい。これこそデザインの夢だな、と。
著者はイギリスの貴族であり、科学ジャーナリストであり、自称"合理的楽観主義者"。人類が地球上で大成功を収めた要因は「分業」と「交換」であるとし、先史時代から現代まで繁栄の歴史を紐解く。未来に対して蔓延する悲観論を、清々しいほどに一刀両断している希望の書。
鈴木啓太さんのインタビューもあわせてどうぞ。
クリエイターインタビュー #104
鈴木啓太(プロダクトデザイナー)
https://6mirai.tokyo-midtown.com/interview/104_01/