「遊びをせんとや生まれけむ」とは、平安時代末期の歌謡集『梁塵秘抄(りょうじんひしょう)』の有名な一節です。この展覧会は美術のテーマとなった「遊び」に着目し、双六やカルタ、舞踊やファッションなど、男女が熱中した楽しみごとの変遷をながめます。とくに近世初期の「遊楽図」における屈指の名品の数々が一堂に集まり、暮らしと「遊び」のかかわりを探るかつてない機会となります。
古くから主要な画題であった「風俗図」や「遊楽図」には、平安時代以来の貝合や蹴鞠、羽子板など、情趣ゆたかな遊びに熱中する人々が描かれています。また、中世以降には、中国の士君子のたしなみとして奨励された「琴棋書画(きんきしょが)」(琴・囲碁・書道・絵画)の影響を受けて、「琴棋書画図」が屛風や襖絵に数多く制作されました。近世に入ると、花見や風流踊りに興じる開放的な気分にあふれた「野外遊楽図」が流行しますが、江戸時代前期には幕藩体制が安定に向かうとともに、室内で親密に遊ぶ様子を描く「邸内遊楽図」に中心が移ります。画面を眺めると、琴は三味線に、囲碁は双六に姿を変えて、「琴棋書画」の宴に見立てて描かれた遊楽の場面が幾つも見出せます。
現代を生きる私たちは、手中のスマートフォンで音楽やゲームに興じ、メールや画像をやり取りしています。その様子はあたかも、「琴棋書画」が端末1台に完結しているような趣です。しかし、一昔前までは、実際に人々が出会い、集わないかぎり成立しなかった技芸や遊びは少なくありません。
この展覧会は、とくに「遊楽図」の中で遊ぶ一人一人の表情に迫ります。ある時は無邪気に笑顔を交わし、またある時は物憂げに遊び暮らした先人たちの、遊びの極意や、浮世を生きる術に、思いを馳せるひとときをお届けします。
ご応募お待ちしております。
当選者数:5組10名様
応募締め切り:2019年7月2日(火)
プレゼント内容:サントリー芸術財団50周年「遊びの流儀 遊楽図の系譜」のご招待チケット
※プレゼントご招待チケットを下記対象展覧会にてご利用の方は観覧料は必要ございません。
※当選者の発表はプレゼントの発送をもってかえさせていただきます。
※当選に関するお問合せにはお答えすることができません。
※ご応募はお一人につき一回に限ります。
※プレゼントは応募フォームでご入力いただく住所へ郵送させていただきます。
サントリー芸術財団50周年「遊びの流儀 遊楽図の系譜」
会期:2019年6月26日(水)~8月18日(日)
開館時間:10:00-18:00 (金・土は10:00~20:00)
※7月14日(日)、8月11日(日・祝)は20時まで開館。
※いずれも入館は閉館の30分前まで
休館日:火曜日
※8月13日は18時まで開館
会場:サントリー美術館(東京・六本木)
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2019_3/index.html
観覧料:当日 1,300円(一般)、1,000円(大学・高校生)
※中学生以下は入場無料 ※障害者手帳をお持ちの方は、ご本人と介護の方1名様のみ無料
※こちらのプレゼントの募集は終了いたしました