東京ミッドタウン・デザインハブでは6月5日(水)まで「紙わざ大賞展 -『紙』の可能性を追求するアートコンペティション」が開催されています。紙わざ大賞とは「紙」を素材とした自由な発想と創作をテーマとするアートコンペティションで、本展では過去の受賞作の中から厳選された作品が並んでいます。
アートディレクションを、東京2020オリンピックのスポーツピクトグラムをデザインしたことでも知られる、グラフィックデザイナー廣村正彰氏が行っている部分も注目ポイントです。
「紙わざ大賞」の歴史は1991年に始まり、毎年全国各地から作品が寄せられ、第1回からの応募総数は5,000点にせまるそう。応募者はデザイナー、イラストレーター、ペーパークラフト作家から、主婦や学生をはじめとしたアマチュアまで幅広く、その誰もが「紙」の意外な表情や素材の魅力に魅せられています。
木でできたパズルのようなこの作品も、ほとんどが紙でつくられています。ほとんど、というのは、この中に本物の木が混じっているから。「LOOK FOR THE WOOD!」というタイトルの通り、会場を訪れた際は、ぜひこの中から本物の木を探してみてください。
ガラスケースに大切にしまわれているのは、たんぽぽの綿毛が丁寧に、繊細に作り込まれた「思わず『ふぅーっ』としたくなる」。まるで、道端に生えたたんぽぽを、そのまま持ってきたかのようなリアルな作品です。ちょっぴり変わったタイトルですが、そのクオリティの高さに来場者もうんうんと頷いてしまうことでしょう。
「最後の晩餐」はレオナルド・ダ・ヴィンチの有名な絵画をモチーフに作られた作品。裏切り者のユダ以外が、ライオンやシマウマ、キリンなどの動物で表現されています。スマホなどでヴィンチの絵と照らし合わせながら見るのも、楽しみ方の一つかもしれません。
本展の主催である特種東海製紙株式会社の代表取締社長 松田裕司氏は「『紙』という素材のあたたかさ、しなやかさ、色合い、そして可能性を楽しんでいただきたい、それは『紙』の県である静岡県に生産拠点を構え100年にわたり『紙づくり一筋』に取り組んできた私どもの願いです。(中略)一人でも多くの方々にご覧いただき、この『紙わざ大賞』を通してあらためて『紙』という素材の素晴らしさを感じていただければ幸いです」とコメントを寄せています。
ペーパーレスや少子化などが進み、紙の需要が減っていている今日ですが、素材としての「紙」に触れ、改めてそのおもしろさや可能性を感じてみてはいかがでしょうか?
編集部 高橋
東京ミッドタウン・デザインハブ特別展
紙わざ大賞展 -「紙」の可能性を追求するアートコンペティション
会場:東京ミッドタウン・デザインハブ
会期:2019年5月16日(木)~6月5日(水)
開館時間:11:00~19:00
休館日:会期中無休
観覧料:無料
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://designhub.jp/exhibitions/4770/