現在21_21 DESIGN SIGHTでは、企画展「ユーモアてん。/SENSE OF HUMOR」が開催されています。本レポートではプレスプレビューの様子を交えて、会場の様子をレポートします。
グラフィックデザインを通して人々を楽しませ続けてきた本展覧会ディレクターを務める浅葉克己氏。「ユーモアてん。/SENSE OF HUMOR」では、彼が国内外から集め、その活動のインスピレーションのもととなっている資料やファウンド・オブジェとともに、作家としてユーモアのシンパシーを感じているデザイナーやアーティストの作品が一堂に集まっています。
「あまねく地球上に存在するすべてのユーモアの源泉を集めてみたい。(中略)ひとつひとつを拾いだし、一堂に見てみたい」と語る浅葉氏。オープニングセレモニーでは、日本の大道芸の1つである南京玉簾(なんきんたますだれ)が披露され、観客からは次々と変化する簾に驚きの声が上がり、会場は一体感に包まれました。
作品を出展しているのは、名だたるデザイナー/アーティストだけではありません。こちらは第25回日本高校生デザイングランプリ受賞者の上野真未氏による「巨豚がキョトン」。シンプルでありながらも、ふっくらした豚がキョトンとした様子がリアルに伝わってきます。
手前にある無造作に積まれた黒い板。これを鏡に映し、一定の角度から見ると、奥にあるようなピアノの形が見えてきます。こちらは福田繁雄氏による「アンダーグランドピアノ」。現実空間で意味をなさないオブジェが、鏡の世界でのみ「正しいかたち」を映し出す、不思議な作品でした。
鈴木康広氏の「脳の人」「ルーペの節穴」「足の箸」は、ジャーナリスト川上典李子氏による出典作品。川上氏はこれらについて「鈴木さんの作品を前にするたびに、知的で温かな心に支えられたユーモアの魅力に触れる思いがする」と語っています。
壁一面に展示されているのは、浅葉氏が卓球専門誌『卓球王国』に連載している「ひとりピンポン外交」のバックナンバー。浅葉氏は小学生時代から卓球に親しみ、現在も週に一度は練習に励むそう。「卓球もデザインも来た球を打ち返す」のがモットーとのことでした。
浅葉氏は「①ユーモアは心を和ませる。②ユーモアは暗い気持ちをひきたてる。ユーモアの中身は複雑であるが、このふたつを頭の隅に置いて見てほしい」とコメントを寄せています。様々なユーモアが詰まった本展に足を運び、ぜひおもしろさを体感してください。
編集部 高橋
ユーモアてん。/SENSE OF HUMOR
会場:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2
会期:2019年3月15日(金)~6月30日(日)
開館時間:10:00~19:00(入場は18:30まで)
六本木アートナイト特別開館時間:5月25日(土)10:00~23:30(入場は23:00まで)
休館日:火曜日(4月30日は開館)
※ただし4月30日(火)は22:00まで(最終入館 21:30)
入観料:一般 1,100円、大学生 800円、高校生 500円、中学生以下無料
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
http://www.2121designsight.jp/program/humor/index.html