六本木にあるミュージアムショップから、毎回スタッフがお勧めするグッズをご紹介するアートな"みやげ"。今回は特別編として、「デザインの視点」を持ち帰ることのできる様々なアイテムが並ぶ21_21 DESIGN SIGHT SHOPをピックアップ。ショップ担当の大河内さんにお話を伺いました。
六本木にあるミュージアムショップから、毎回スタッフがお勧めするグッズをご紹介するアートな"みやげ"。今回は特別編として、「デザインの視点」を持ち帰ることのできる様々なアイテムが並ぶ21_21 DESIGN SIGHT SHOPをピックアップ。ショップ担当の大河内さんにお話を伺いました。
ショップ内では、展覧会に関連する商品、21_21 DESIGN SIGHTオリジナルグッズ、それ以外の21_21 DESIGN SIGHTのディレクターズやこの施設にゆかりのある方々の書籍や商品の3つのカテゴリーを大きな枠組みとして展示・販売しています。「展覧会を見終わった人が、思い出を唯一"もの"として持ち帰ることができる点がお店の役割だと思うので、ショップのデザインには重点を置いています」とこだわりを明かしてくれました。
展覧会に寄り添ったショップにするために、毎月の定例会議や日ごろのリサーチは欠かさず、時には展覧会の準備段階で行われる企画会議にも参加して、数か月前から展覧会とショップの"色"をすり合わせていくそうです。現在ギャラリー1&2では、企画展「民藝 MINGEI -Another Kind of Art展」が開催されていますが、会期中に登場するポップアップストアもショップチームが選んでいます。
「全国の民藝品を扱うお店についてだけでなく、素材や産地などを調べてはまとめる作業を繰り返し、紹介したいイメージを膨らませました。今回お願いした3つのお店については、店主の独自の審美眼や、自身の足でつくり手の元へ出向き、自身の言葉で伝えている点に魅力を感じてご依頼しました。
展覧会の概要についてお伝えしたうえで商品のセレクト自体はお任せしたのですが、そこにはお店の方への信頼もありますし、"民藝展"というキーワードでどのような商品を選んできてくださるのか、という楽しみもありました」
このショップについて語るうえで外せないのは、安藤忠雄さんが設計した21_21 DESIGN SIGHTの建築や、佐藤 卓さんデザインの「プロダクトロゴ」をモチーフとしたオリジナルグッズの数々。「社内でどういうものをつくりたいかアンケートを取ったり、国内外の美術館のグッズを調べたり、さらに佐藤さん直々にデザインのアイデアをいただいたりして、今の形になりました」とその経緯を語ります。
1年以上の歳月をかけて完成したのが、1/500スケールの「21_21ミニチュア建築模型」。「台座も組み立てパーツも、建築の際に実際に使用した設計図面をアレンジしたものから作ったんです。ガラス窓のサッシやコンクリートの目地など細部まで繊細な表現は、安藤さんの事務所にご確認いただきながら進行しました。
平行四辺形の台座は安藤さんのアイデアで、パッケージや説明書については佐藤さんの事務所と何度も推敲を重ねました。自分たちで何でも決められるぶん、悩むことも多かったですね」と制作時の苦労を振り返りました。
こちらはプロダクトロゴの実寸大プレートに、館内のサインや建物ロゴがデザインされた「21_21グラフィックプレート」。建物の外側だけでなく、館内のマークを撮影する人が多いため、象徴的なものを落とし込んだそうです。
「エッチングの線幅など試行錯誤を重ねて、一番細い溝の部分も0.5mmのペンで実際にテンプレートのように使って遊んでいただけます。またあえてパッケージも真空パックにすることにより、このまま飾っても見栄えがいいように工夫しています」
「来館した時が誰かの何かの転機な可能性もありますし、ものという思い出があることで、ここに来たことが暮らしの中のちょっとした"きっかけ"になれば嬉しいです」と大河内さん。
誰でも無料で入場できる21_21 DESIGN SIGHT SHOP。日常に寄り添った、思わず使ってみたくなるような商品の背景には、様々なストーリーがありました。六本木を訪れた際には21_21 DESIGN SIGHTに立ち寄り、ショップに並ぶ実際の商品を手に取ってみてはいかがでしょうか?
編集部 髙橋
開館時間:10:00~19:00(入場は18:30まで)
休館日:火曜日、年末年始
入観料:プログラムによる、1Fショップは入場無料
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
http://www.2121designsight.jp/