現在、六本木ヒルズ展望台 東京シティビューでは「藤子不二雄(A)展 - (A)の変コレクション-」が開催されています。「忍者ハットリくん」「怪物くん」「笑ゥせぇるすまん」など数多くの作品を生み出してきた藤子不二雄(A)氏。本展では、揺れ動く人間の心を多彩なジャンルで描いた藤子氏の奇妙な世界を、生原稿や映像、立体物などの「変コレクション」とともに紹介しています。会場の全てが撮影可能になっており、奇妙でユニークな写真撮影も楽しめる展覧会です。
10月18日(木)に行われたオープニングセレモニーには、藤子氏と特別ゲストの女優・宮沢りえ氏が登壇。何十年来もの交流があり、普段はあだ名で呼び合うほどの仲なのだとか。藤子氏は本展について「スタッフの方に一生懸命"創造"していただいて、自分の作品がこんな風に展開されていくのは本当にラッキーなことです」と語りました。
二人の背後にあるのは、来場者を最初にお迎えするモニュメント。表にはギャグやスポーツなど明るい漫画のキャラクター、裏にはブラックユーモアのキャラクターが描かれています。
また、東京シティビューの大きな窓には、ここでしか見られない映像が出現。聞き覚えのある音楽と共に喪黒福造が登場し、来場者を「笑ゥせぇるすまん」の世界に誘います。窓いっぱいに映し出される喪黒は迫力満点。
エントランスを抜けると、藤子不二雄として執筆活動をしていた頃に住んでいたトキワ荘の4畳半の部屋が姿を見せます。手塚治虫氏から譲り受けたテーブルなど、当時の様子がほぼ完ぺきに再現されています。
お次は「忍者ハットリくん」「怪物くん」「プロゴルファー猿」の原画やフォトスポットが広がるポップゾーン。実際に「プロゴルファー猿」のパネルを背に、ゴルフクラブを持って撮影を行った宮沢氏は「プライベートではなかなかゴルフが上達しないのですが、あの時に持ったクラブは飛びそうな感じがしました(笑)」と語りました。
ブラックユーモアゾーンでは、これまでのポップな雰囲気とは打って変わって、ブラックユーモアやダークファンタジーの作品群を展示。壁一面に漫画の世界が広がっています。選りすぐりの短編作品の映像が流れるミニシアターもあり、藤子氏が持つ別の一面を存分に堪能できること間違いなし。
2018年に50周年を迎えた藤子氏の代表作「笑ゥせぇるすまん」のゾーンでは、貴重な生原稿や作品1話を丸ごと楽しめます。トリックアートやデジタルコンテンツを用いた展示もあり、来場者を不思議な世界へと導きます。
このほかにも、本展を記念して造形作家 竹谷隆之氏や、影絵作家 河野里美氏とコラボレーションした作品も並んでいました。また、各所で藤子氏のインタビュー映像が流れており、作品にまつわるエピソードを披露しています。
日本の漫画文化をけん引した藤子氏が生み出した数多くの作品は、今の時代を生きる私たちにとっても決して古くさくなく、興味深いものばかり。物販コーナーもあるので、展覧会で気になった漫画を買って帰ることも可能です。展示を見るだけではなく、フォトスポットで写真を撮って、藤子氏の奇妙な世界にどっぷりと入り込んでみてはいかがでしょうか。
編集部 峰崎
information
藤子不二雄(A)展 - (A)の変コレクション-
会場:六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー
会期:2018年10月19日(金)~2019年1月6日(日)
開館時間:10:00~22:00(最終入場21:30)
休館日:火曜日
入場料金:一般1,800円、高校・大学生1,200円、4歳~中学生600円、シニア(65歳以上)1,500円
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://tcv-fujiko-a-ten.roppongihills.com/top.html