富士フイルムフォトサロンでは8月31日(金)から9月6日(木)まで「全日写連フォトフェスティバル2018」が開催されました。全日本写真連盟は、創立92年の歴史あるアマチュア写真集団。本展では、"写真を通してあなたへのメッセージ"をコンセプトに、全国の写真愛好家から応募を募った3つのコンテストの入賞作品が展示されました。
3つのコンテストのうちの1つ「カラーフェア」には、カラーならではの楽しさ、美しさ、躍動感のある写真が集います。こちらは最優秀賞を受賞した村上忠司の「ふるさと冬」。車窓から見えた「ふるさと」の情景を描き出しています。窓を伝ってゆく水滴、奥に見える静かな雪景色、そして効果的に使われた赤色が高く評価されました。
色鮮やかで生命力を感じさせる「花家族」。応募したのは、なんと小学生です。身を寄せ合って咲く花が、まるで家族のように見えたのでしょうか。大人ではなかなか気付くことのできない、小学生の目線ならではの作品ですね。このように、本展では今までの経験や年齢など関係なく、写真を愛する人が誰でも応募できます。
お次は、光と影というモノクロの原点に、新しい芸術性を追求する「全日本モノクロ写真展」。最優秀賞の山田興亜「トップへチャレンジ」は、期待・不安・可能性がシンプルな画面に凝縮されている、と同賞を受賞しました。ボルダリングの一コマを、まるで宇宙空間のように表現しています。
写っている人間のドラマの一瞬を捉えた作品が集う「人間大好き!フォトコンテスト」では、中塚英男の「歓喜のフィニッシュ」が最優秀賞を勝ち取りました。画角いっぱいに人を写すのではなく、作品内にあえて空間を残すことにより、主役をより際立たせる手法を使っています。背景の青、キャップの青、洋服の青がとても爽やかな作品ですね。
開催中に行われた、全日本写真連盟の事務局長である勝又ひろし氏によるギャラリートークでは、作品の解説のほか、写真を実際に撮る際のポイントなども明かされました。また、受賞者がギャラリートークに参加しており、出品者自らが作品の見どころを熱く語る一場面も。
作品自体も、またとない一瞬を切り取った素晴らしいものばかりですが、それらに付けられたタイトルと共に作品を吟味すると、また違った新しい見方が生まれます。参加者としても、観覧者としても楽しめる「全日写連フォトフェスティバル」。次回はどんな作品が集うのか、今から楽しみですね。
編集部 髙橋
information
全日写連フォトフェスティバル2018
会場:富士フイルムフォトサロン 東京 スペース1・2
会期:2018年8月31日(金)~2018年9月6日(木) ※終了しました
開館時間:11:00~19:00
観覧料:無料
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
http://fujifilmsquare.jp/index.html