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【展覧会レポート】21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3「YUIMA NAKAZATO Exhibition - HARMONIZE -」

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update_2018.03.05

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21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3で開催された「YUIMA NAKAZATO Exhibition - HARMONIZE -」と、そのトークイベントに参加しました。

中里唯馬さんは、伝統あるベルギー・アントワープ王立芸術アカデミーのファッション科を日本人最年少で卒業し、2009年に自身のファッションレーベル『YUIMA NAKAZATO』を設立。2016年には日本人として史上2人目となるパリ・オートクチュール・ファッションウィーク公式ゲストデザイナーの一人に選ばれてコレクションを発表するなど、世界的に活躍しているファッションデザイナーです。

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本展では、YUIMA NAKAZATOが創造する未来の衣服を、現在に至るまでの軌跡と共に見ることができます。写真は、初めてパリで発表した2016-17 AUTUMN/WINTER [UNKNOWN]です。この頃から、パーツを組み合わせて衣服を作ることにより、"一人一人の身体にフィットさせる"というコンセプトに辿り着いたそうです。

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これは独自開発したPVC(ポリ塩化ビニル)素材に最新のプロッターマシンで細かなカットを入れ、折り紙のように手作業で折りたたんだパーツを、1体につき数百個重ねて立体的な衣服を作りあげています。近くで見ると氷の結晶が集まったような繊細さがあり、引いて全体を眺めるとまるでオーロラのような壮大さがありますね。

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パリでの2回目のコレクションでは、凹凸をはめ込む「UNIT CONSTRUCTED TEXTILE」という構造を採用。2017 SPRING/SUMMER [IGNIS AER AQUA TERRA]ではパーツの取り外し・追加が可能となり、様々な柄、形、素材を一つのテキスタイルの中で自由に組み合わせることができるようになりました。

パリのショーではミシンを用いず、現地でキャスティングした様々な体格の12人のモデルの身体に合わせて、その場でUNITを組み上げ、衣服を完成させたそうです。

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2017-18 AUTUMN/WINTER [FREEDOM]では、UNIT構造を一から見直し、最先端のデジタル・ファブリケーション技術(デジタル工作機械によって、データを素材から切り出し、成形する技術)と融合させることにより、これまでのPVCなどの特殊素材だけではなく、コットン、ウール、ナイロンといった一般的な素材同士を自由に組み合わせることに成功しました。

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また、細かく分割されたUNITのサイズを個別に調節することにより、コンセプトとしてきた"一人一人の身体にフィットさせる"服作りを実現しました。すべてのUNITにはシリアルナンバーが印字され、組み立ての際のガイドとなるだけではなく、着る人の情報を記録するDNAのような役割を果たしています。

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これらのデザインを経てYUIMA NAKAZATOがテーマとして着目したのは、人類がこれから移り住むことになるであろう「宇宙」です。JAXA宇宙服研究チームとのディスカッションを通じて直面した、「地球から宇宙へ持っていくことができる物資には大きな制約があり、宇宙での長期滞在には様々な循環型システムが必須である」という事実は、新たな挑戦をもたらしました。

これまで進化させてきた「UNIT CONSTRUCTED TEXTILE」は、宇宙服に求められる資質なのではないかと考え、用途によって変化させながら一点ものを半永久的に着続けるという、衣服との新しい関係性を提案しています。

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これらに使われているのは、廃棄されたパラシュートやエアバッグなど、元来身体をプロテクトするために開発された工業製品。これらを一度解体し、最先端の技術と職人技によって再構築しています。

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このUNIT式ライダース・ジャケットは、その場で一点もののアイテムを作ることを可能にしたファクトリーシステム「TYPE1」で制作されたもの。採寸から縫製まで、従来の服作りにおけるすべての工程をアップデートし、その制作フローをYUIMA NAKAZATOが独自開発したシステムにより制御しています。

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素材になっているのは、化学製品や情報関連素材を取り扱う東レ株式会社が開発した、高感度・高機能のスエード調人工皮革「Ultrasuede®(ウルトラスエード)」。手触りの良いこのジャケットは破損した一部を交換したり、デザインやサイズを変えたくなった時には、UNITを交換するだけで、修復したり自分好みに変化させることができます。「TYPE1」により、これまでごく一部の人のためにだけ存在したオートクチュール(オーダーメイド一点物の高級服)が、誰もが体験できる、新しい、民主化されたものになりつつあるのです。

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トークイベントでは、現代美術家である寒川裕人さんをゲストに迎え、「未来の衣服とは」をテーマに対談がなされました。中里さんは現代を「宇宙という遠い世界だったものが、日々リアリティを持って近づいてきている時代」と表現。「我々はどんな未来で生活しているのかを考えた中で辿り着いたのが、"やがて衣服は一点ものしか存在しなくなる"ということなんです。それを実現するために、挑戦が始まりました」と、これまでの活動を語りました。(写真は中里さん)

また、本展のタイトルにもなっている"HARMONIZE"について、「人の手でしかできないことと、機械でしかできないことを組み合わせていくのが、近い未来なのではないかなと思っています。つまり"HARMONIZE(調和)"が、未来にとって大切なのではないでしょうか」とコメント。

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これについて寒川さんも、「究極に言うと、個人に合わせつつ、だけれどもコンフォータブルなもの。簡単に言うと、科学的であって、かつ情緒的であるということですね。その両立や融合が大切になってくると思います」と中里さんに同調しました。

中里さんは本展について「僕自身は、新しい進化の中で人々の生活をどう支えていくか、を常に考えたいと思っています。身体って人それぞれ違う形状をしていて、もちろん思想も全然違う。その中で、一人一人に合わせてもの作りができたら素晴らしいだろう、というのがスタートにあります。不可能だろうと思われていたことが、技術によって実現されつつあることを感じていただければ」と、見どころを明かしていました。

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間近で見て、実際に触れることのできる本展では、中里さんの語る"未来"を体感することができました。いつか地球ではないどこかの星に移り住み、身に着けるのはYUIMA NAKAZATOがデザインした一着の衣服。それを、その日の気分や用途に合わせて組み換え、身体にフィットした服に気分を弾ませながら出掛ける自分の姿がイメージできてしまうような、説得力と楽しさに満ちた展覧会でした。



編集部 髙橋





information
YUIMA NAKAZATO Exhibition - HARMONIZE -
会場:21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3
会期:2018年2月21日(水)~2月25日(日)※終了しました
開館時間:10:00~19:00
休館日:火曜日、年末年始
観覧料:無料
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
http://www.2121designsight.jp/gallery3/harmonize/

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