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【展覧会レポート】TOTOギャラリー・間 「坂 茂:プロジェクツ・イン・プログレス」

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update_2017.06.26

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「パリの新しいシンボルとなるような建物を!」というパリ市長からの依頼に応えるビックプロジェクトから、世界中の被災地や難民キャンプへ赴き、誰もが作れる仮設住宅の仕組みを考えるプロジェクトまで。さまざまな目的・規模のプロジェクトを手掛ける建築家・坂茂さん。ユニークな取り組みの数々は一体どのように進められているのかを、現在進行中のプロジェクトの施工プロセスを通して追体験できる展覧会がTOTOギャラリー・間(ま)にて開催中です。

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坂さんが現在世界中に抱える数多くのプロジェクトの依頼内容、条件、状況はひとつひとつ異なります。
何十年間も大勢の人々が利用する街のシンボルとなる建物。
心身ともに傷を負った人々が、すぐに雨風をしのげる建物。
本企画では、プロジェクト毎の課題に対して、坂さんがそれぞれの最適解を見つけていくプロセスが展示されています。

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ラ・セーヌ・ミュジカル/フランス、パリ近郊/©坂茂建築設計

今年4月22日にパリ近郊に完成した「ラ・セーヌ・ミュジカル」の大きな模型が鎮座するフロアから展示はスタート。まるで大きな客船のようなフォルムをした建物は、立ち見席を含めて最大6,000人が入れる多目的ホールをはじめ、クラシック音楽ホール、リハーサル室、音楽学校、レストランなどが内包される公共施設です。

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設備の一つである、船の帆をイメージしたという太陽光パネルは、なんと日照に対応して回転する可動式。発熱効率を上げるだけでなく、直射日光が強く差し込む場所に陰を落とし、空調の光熱費を抑えることができるという2重のエコデザインです。

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模型の奥にみえるモニターでは、コンペティション時に作成された「コンセプトストーリー」や「建築完成予想イメージ」、「施工現場」、「竣工写真」のムービーが左から順に放映されており、プロジェクトが進行していく様子がわかります。特にコンセプトストーリーの映像はまるで短編映画のようなクオリティ。国際的なコンペティションのレベルの高さを垣間見ることができます。

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また、この「ラ・セーヌ・ミュジカル」では坂さんがいち早く着目してきた素材"紙管"を、クラシック音楽ホールの椅子や天井といった内装に使用。この紙管は形や強度がコントロールしやすいことに加え軽くて丈夫なため、難民キャンプなどの資材の運搬が困難な過酷環境でも建材として活用されてきました。

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坂さんは前述のような建築を手掛けながら、世界中の被災地や難民キャンプへ赴き、突然家を失った人に対する建築プロジェクトも積極的に行なってきました。中庭のスペースでは、熊本やネパールの被災地で、資材や人材、資金が限られるなか課題解決に挑んだプロジェクトに関するモックアップが展示されています。

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例えば、"熊本木造仮設住宅"では、合板と木材組み合わせるだけで仮設住宅が出来上がる設計になっており、建築のプロでなくても現地の人やボランティアの人たちだけで作ることができるそう。被災地で一般的なプレハブ住宅よりも耐久性や遮音性、保温性に優れており、居住スペースとしてもずっと快適。上階に展示されている模型を見ると、十分な収納スペースまで確保されていることもわかります。

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今回の展示は、「展覧会という表現手段でしか見せられない建築の展示コンテンツとは何か?」という問いから、建物が完成してからは見ることができない"施工"プロセスを見せることをコンセプトに企画されています。上階のフロアでは今まさに建設途中の6つの進行中プロジェクトが取り上げられていました。

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各プロジェクトにはそれぞれ、模型、モックアップ、動画、写真といった様々な資料が展示されており、まだ完成していないその建物の姿をイメージしたり、その経過を楽しむことができます。

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富士山世界遺産センター/静岡県富士宮市/進行中©坂茂建築設計

富士山の麓に2017年7月に竣工予定の「富士山世界遺産センター」は、木造の巨大な逆さ富士のモチーフが印象的。目の前に広がる水面に映しだされる富士山が楽しめる、新たな観光名所になりそうです。
このモチーフには、木材を平面でなく曲面に組み合わせる手法が取り入れられており、富士山の滑らかで力強い末広がりが表現されています。この木材を3次元で切り出す手法は他のプロジェクトでも採用されています。この手法により新しい形を生み出すことができるだけでなく、木材が建物の主要な"構造体"ともなります。


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台南市美術館/台湾、台南/進行中
©坂茂建築設計

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また2018年秋に竣工予定の台南市美術館(台湾)では、美術館としての役割だけでなく、市民が自然と集い、憩いの場所となる工夫が。五角形の屋根はあえて正面を作らないことで、施設利用者以外でも気軽に立ち寄りやすい佇まいになっています。鉄骨で作られたフラクタル屋根のモチーフのデザインにより、まるで木漏れ日のような影を落としてくれます。暑い台南市街地にはぴったりの休憩場所になりそう。

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常に複数のプロジェクトを同時進行させながら、数多くの建築を手がけて来た坂茂さん。
今回の個展に合わせ、作品集の決定版ともいえる「坂 茂の建築 材料・構造・空間へ」(TOTO出版)という著書も出版されました。

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こちらのカバー裏には、今まで様々な目的や条件などに合わせて柔軟に対応してきた坂さんの建築を系統別にまとめた年表が。ぜひ、照らし合わせながら「どの建築を見に行こう?」なんて考えて、楽しんでみてはいかがでしょうか。

information
TOTOギャラリー・間 「坂 茂:プロジェクツ・イン・プログレス」
会場:TOTOギャラリー・間
会期:2017年4月19日(水)~7月16日(日)
時間:11:00~18:00
住所:東京都港区南青山1-24-3 TOTO乃木坂ビル3F
休館日:月曜
入場料:無料
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):http://www.toto.co.jp/gallerma/ex170419/index.htm

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