六本木未来会議に登場してくれたクリエイターのみなさまが推薦してくれた本を毎週紹介していきます(紹介する本の一部は2014年に開催した「森の学校」の図書室と、2015年に開催した「六本木ブックフェス」でも展示したものです)。
今回は、菅付雅信さんが選んだ、『グーテンベルクの銀河系 - 活字人間の形成』(マーシャル・マクルーハン/みすず書房)。
菅付さんのコメント
メディア論の古典中の古典。15世紀のグーテンベルクによる印刷の発明は、いかに人間の知覚=精神を変容させたか。本書は古今東西の膨大な事例を挙げ、印刷が個人主義や民主主義を生んだ背景を壮大な物語のように語る。時代と共に激しく変遷するメディアを語る際に、その歴史的背景を立体的に捉えることで、過去だけでなく、メディアの未来の銀河系も、プラネタリムのように浮かび上がる。常に物事の縦軸(歴史)と横軸(同時代性)を捉え、変わり続けることと変わらない本質を見出す姿勢をマクルーハンから教わった。
新聞、雑誌、書籍などの活字メディア、テレビやラジオ、映画などの音声・映像メディア、さらにインターネットの登場により、転換期を迎えている現代のメディア。グーテンベルクの活版印刷機の発明によりうまれた活字文化を再考することで、メディアのわくわくする未来を予見させてくれる一冊です。
菅付さんの「六本木未来大学」講義レポートもあわせてどうぞ。
六本木未来会議アイデア実現プロジェクト#07 「六本木未来大学」
第8回 「菅付雅信さん、物欲なき世界のクリエイションって何ですか?」
http://6mirai.tokyo-midtown.com/project/no7_13/