六本木未来会議に登場してくれたクリエイターのみなさまが推薦してくれた本を毎週紹介していきます(紹介する本の一部は2014年に開催した「森の学校」の図書室と、2015年に開催した「六本木ブックフェス」でも展示したものです)。
今回は、川村元気さんが選んだ、『猫語の教科書』(著 ポール・ギャリコ/ちくま文庫)。
川村さんのコメント
この本には「なぜ人間には愛という感情があるのか」なんていうことが、猫の視点で書かれています。こういう「目線の入れ替え」って重要で、自分の中にあるものをあらためて発見することにつながるんです。たとえば、以前、赤いポストにクマのぬいぐるみが置かれていたことがありました。みんな気になっているのに、何も言わない。そういう状況で「誰のクマですか」と叫ぶと、「私も気になってた!」とみんなが言い出す、作品がヒットするってそういうことだと思います。視点を変えることで、自分の中にいかに「引っかかり」を見つけるかが勝負。僕が処女小説『世界から猫が消えたなら』を書くきっかけにもなった本です。
1章では猫の視点で「人間の家をのっとる方法」が書かれています。人間にうまく取り入る方法や、生活環境の整え方、さらには、一人前の猫としてのマナーも。客観的にヒトを見ている猫だからこそ気づくヒトの癖や生態に、思わずハッとさせられます。
川村さんのインタビューもあわせてどうぞ。
クリエイターインタビュー #68
川村元気(映画プロデューサー)
http://6mirai.tokyo-midtown.com/interview/68/