六本木で働く・住む人に、街についてのインタビューをし、リレーでつなげる当企画。今回登場してくれたのは、六本木の老舗飲食店グループで役員を務める中西功さん。20年以上にわたって六本木で働き、遊んできたという中西さんに、お気に入りのお店や過ごし方を教えてもらいました。
Q 01
六本木といえば_________。(一言で表すと?)
A
「地元」ですね。バーテンダーに憧れて六本木で働きはじめたのが21歳の頃なので、もう20年以上。六本木は僕にとって職場であり遊び場であり、自宅がある中央区よりずっと長い時間を過ごしている場所です。
昔、一度だけ六本木に住んだことがあって、最近また引っ越そうかなと考えていたんです。でも、借りようとしていた物件は東京ミッドタウンのすぐ裏手で「あ、これはまずいかも」と思ってやめました。これじゃあ、みんなの家になってしまうから......。中央区に住んでいても六本木から人が来てしまうので、賢明な判断だったと思います(笑)。
Q 02
あなたがオススメする、六本木のベスト3は?(飲食店を含む、あらゆるお店でOK)
A
1位 ら〜めん 味ノ仙
仲がいい友人から「ラーメンマン」と呼ばれるほどラーメン好きの僕が、最近一番気に入っているのがここ。六本木一丁目に下っていく途中にある味噌ラーメンのお店で、存在感ある太麺と濃厚なスープが絶品。普通の味噌もいいけれど、辛味噌や激辛味噌もおいしいし、熱々の肉汁があふれ出す餃子もたまらない。深夜は営業していない(23時まで)ので、早めの時間に行くことをオススメします!
2位 MADURO
ひとりで考えごとをしたいときや、何かヒントがほしいときに行くのが、グランドハイアット東京のバー「MADURO」。六本木は知り合いの店だらけで、お客さんとバッタリなんてことも多いのですが、ここはそういうことも少なくて。店内が暗めで、カウンターに座ると気づかれにくい、というのもあるかもしれません(笑)。注文するものは毎回違いますが、定番はシガー。チョコレートの盛り合わせとシングルモルトを一緒に頼むのが、最近のお気に入りです。
3位 リビング・モティーフ
飯倉片町の交差点の少し手前、アクシスビルに入っているインテリアショップです。六本木にはインテリアを扱うお店がたくさんありますが、ここが一番僕のセンスに近くて。レイアウトを小まめに変えて提案してくれるので、お店の雰囲気づくりのヒントやアイデアを得るために、ふらりと寄ることもよくあります。
Q 03
六本木にある、お気に入りの景色は?
A
六本木交差点から見える東京タワーですね。東京スカイツリーもいいけれど、僕はやっぱり東京タワー派。形が美しいし、あの赤い色がいいんですよね。
そういえば先日、知り合いから50年以上前の六本木の写真が送られてきたんです。ちょうど六本木交差点のあたりから東京タワーの方向を写したもので、今より道幅が広くて、真ん中には都電が走っていて。独特のノスタルジックなムードが、すごくいい感じでした。
Q 04
六本木のアフター5の過ごし方は?
A
アフター5は、まさにこれから仕事がはじまる頃。終わるのはたいてい朝方なので、スタッフを連れて焼肉に行くのが僕のアフター5の過ごし方です。
六本木の交差点からすぐのところに「漢陽」という焼肉屋があって、そこでマッコリを瓶ビールで割ったマッコリビールを飲みながら、豚足や韓国のりを食べるのが定番。一時期は肉を食べるのは若い子たちに任せていたんですが、最近また"肉食"に戻りました(笑)。
Q 05
六本木ならではのリフレッシュ方法は?
A
一日寝れば忘れてしまうというか、基本的にストレスは溜め込まないほうです。昔はマッサージやサウナによく行っていたけれど、今は全然行かないし......。強いていえば、先輩や後輩の店をハシゴすることでしょうか。多いときは10軒くらい、少ないときでも5軒くらいはハシゴします。
シャンパンや白ワインを1本注文して、そこにいる人たちと一緒に飲んで、なくなったら次の店へ。滞在時間は平均30〜40分くらいですが、移動するたびにお店の人たちを巻き込んでいくので、ドラクエみたいにどんどん仲間が増えていくんです(笑)。
Q 06
身の回りのお気に入りのデザインは?
A
いつも身に着けている、ロレックスのエクスプローラーⅡです。20代の頃、時計にハマっていろいろ買ったんですが、売ってしまったり後輩にあげたりして、今残っているのは、これと革ベルトのもうひとつだけ。
デザインが好きなんでしょうか。なぜかはわからないんですけど、たまにじっと見ちゃうんですよ。表示されるのは時刻と日付だけと機能はシンプル、なにより長年壊れないでいてくれるので、大切にしています。海外に行ったときに、現地と日本、両方の時刻がわかるのも便利ですね。
Q 07
六本木をもっと良い街にするには?
A
僕にとっては、もう十分良い街ですが、もっと面白いことが起きる街になったらいいですね。ここ数年で定番になったハロウィンのように、街全体に一体感が感じられるような何かが生まれたらすばらしい。
たとえば、年末にカウントダウンイベントをするのはどうでしょう? ニューヨークのタイムズスクエアみたいに、交差点を一時封鎖して花火をドカーンとあげて紙吹雪が舞って、最後はみんなで一緒に片づけをする。そんなことができたら、さらにすてきな街になるんじゃないかな、と。
Q 08
前回出演した方(木原由香理さん)とのつながりを教えてください。
A
木原さんが勤めているお店の総支配人とは、長年の友人です。以前近くの店で働いていたことがあるので、木原さん本人とも会えばあいさつしたり、世間話をしたり。同じ街で働くご近所さん、という間柄ですね。
no.041
中西功さん
40代・飲食店役員
六本木歴22年