六本木未来会議に登場してくれたクリエイターのみなさまが推薦してくれた本を毎週紹介していきます(紹介する本の一部は2014年に開催した「森の学校」の図書室と、2015年に開催した「六本木ブックフェス」でも展示したものです)。
今回は、水口哲也さんが選んだ、『心の社会』(著 マーヴィン・ミンスキー/産業図書)。
水口さんのコメント
マサチューセッツ工科大学でも教授を務めていた人工知能分野の第一人者、マーヴィン・ミンスキー。この本では、テクノロジーについては一切触れず、徹底的に日常観察することで、人間のいろいろな感情を考察しています。彼は人工知能の研究者なので、プログラムをつくるためには、結局人間がどういうものかを知らなければいけない。たとえば、赤ん坊が積み上げた積み木をバッと壊すのは、構築と脱構築の繰り返しだ、というように。経済もアートも社会も、人間のすべての活動はアナロジー(類推)なんだ、ということがわかる一冊です。
この本によれば、どうやら心はプログラミングすることができるそう。今でこそ身近な存在になった人工知能ですが、四半世紀以上前からこの未来が描かれていたことに驚きます。人の心ってなんだろう? 自分って何者? そんな答えのない問題にも向き合えるはず。
水口さんのインタビューもあわせてどうぞ。
クリエイターインタビュー #65
水口哲也(メディアデザイナー)
http://6mirai.tokyo-midtown.com/interview/65/