モネにマティスにエル・グレコ、ゴーギャン、ピカソ......。日本初の本格的な西洋美術館「大原美術館」の収蔵作品は名品揃い。そのコレクションを幅広く紹介する展覧会が、現在、国立新美術館で開催中です。その様子を取材してきました。
入り口の展覧会タイトルは、絵画を運ぶ「木枠」がモチーフ。実際に搬入時はこのような梱包がなされていたそうで、「FRAGILE」の文字が貴重な作品の展示を予感させます。実物の梱包を担当した人はプロでしょうが、緊張したのでは......。
この展覧会は、創設者の大原孫三郎、美術品を収集した児島虎次郎、孫三郎の長男・惣一郎などによる、絵画だけではないコレクションの全貌を紹介しています。展示の最初には、古代エジプトの考古学的な像などが並び、博物館のような雰囲気。
続くフロアでは、西洋の近代美術を展示。取材した日は休館日で、がらんとしたフロアに並ぶ名作の数々に、神々しささえ感じました。そしてここには、誰もが知る有名な画家の作品がズラリ!
こちらはエル・グレコの「受胎告知」。「現代日本にあることが奇跡」とまで言われる作品で、東京では30年ぶりの公開。
ポール・ゴーギャン「かぐわしき大地」。ゴーギャンはタヒチに渡って絵を描いたことで有名ですね。
ご存知、クロード・モネの「睡蓮」も。同じモチーフで何枚も描かれた、モネの代表作です。
続いては、日本の近代洋画。ここにも、岸田劉生や藤田嗣治など、著名な画家の作品が。写真は大原美術館創成期を支えた児島虎次郎の作品。
絵画や古美術だけでなく、柳宗悦が創始した「民芸」の名品も。惣一郎が民芸運動ゆかりの作家と深く交流し、敷地内に工芸館を建てたからなのだとか。ちなみに、このフロアには有名な棟方志功の作品が。
さらには、戦中・戦後の美術、2000年代以降の作品まで。約一世紀にわたり発展してきた大原美術館の歩みを、一気に観賞できる展示構成になっていました。そして最後を締めくくるのが写真の言葉。大原美術館だけでなく、国立新美術館のことまで言っているかのように感じました。
展示は4月4日(月)まで。観賞後は実際に大原美術館を訪れてみるのも面白いかもしれません。当展の期間中、現地ではどんな作品が展示されているのでしょう......?
編集部 飯塚
information
「はじまり、美の響宴展 すばらしき大原美術館コレクション」
会場:国立新美術館(港区六本木7-22-2)
会期:1月20日(水)~4月4日(月)※火曜休館
開館時間:10:00~18:00 ※金曜は20:00まで、入場は閉館の30分前まで
入場料:一般 1,600円、大学生 1,200円、高校生 800円、中学生以下無料