六本木で働く・住む人に、街についてのインタビューをし、リレーで繋げる当企画。今回登場してくれたのは、幼い頃から両親が営んでいた六本木の美容室を幾度となく訪れ、今ではその跡を継いでいる井川光輔さん。六本木とともに人生を歩んできたといっても過言ではない井川さんに、この街の変化や今を語ってもらいました。
Q 01
六本木といえば_________。(一言で表すと?)
A
「いつもの場所」です。両親がずっと美容室をやっていたので、小さい頃から遊びに来たり、髪を切りに来たり、手伝いに来たり。その店は六本木ヒルズができるときに立ち退いてしまったので、もう跡形もありませんが、移転した場所もまた六本木。今は店を継いだので、ほぼ毎日この街にいます。
昔の六本木は、こんなににぎやかではなかったですね。街灯も少なくて夜道も暗かったし、しっとりした雰囲気だったというか。気が利いた人たちがたくさんいて、今よりもっと大人のムードが漂っていた気がします。
Q 02
あなたがオススメする、六本木のベスト3は?(飲食店を含む、あらゆるお店でOK)
A
1位 Gazzara Cafe(ガザーラカフェ)
東京ミッドタウンから檜町公園を抜けて、赤坂方面に少し歩いたところにあるカフェ。妻の友人のつながりで行くようになったのですが、ゆったりした雰囲気が気に入っています。必ず頼むメニューは「エッグベネディクト」。この店で初めて食べて、そのおいしさにハマってしまって(笑)。お酒も飲めるので、仕事帰りにちょっと一杯ひっかけに行くこともあります。
2位 長寿庵
うちの美容院の並び、六本木通り沿いにあるおそば屋さんです。おそばのほか、丼ものや鍋焼きうどんなどもおいしくて、しょっちゅう訪れています。いかにもおそば屋さん、という和な佇まいで、外国人のお客さんもよく見かけますね。聞くところによると、著名人もけっこう訪れているとか。
3位 エクアトゥール
けやき坂を上りきってテレ朝通りを左に入って少し歩いたあたり、住所的には元麻布にあるフレンチレストランです。お客様に紹介していただいたのですが、何を食べてもとやたらとおいしいし、コースもボリュームたっぷり。こんなにすてきな店があるのかと感動しました。これからも夫婦ふたりのためのごほうびとして、節目節目に訪れたい一軒です。
Q 03
六本木にある、お気に入りの景色は?
A
六本木六丁目の交差点から麻布十番方面に抜けるトンネルです。こちら側は大人しい雰囲気だけれど、向こう側にはけやき坂やテレビ朝日があって、華やかでキラキラしている。トンネルを抜けるとなんとなく街や空気が切り替わる感じがして、その感覚が何ともいえず好きですね。
Q 04
六本木のアフター5の過ごし方は?
A
みなさんと同じ答えで面白味がないかもしれませんが、その時間は普通に仕事をしています(苦笑)。仕事が終わったあとという意味なら、娘と遊ぶことが多いですね。仕事中はスイッチが切り替わって忘れてしまうこともありますが、ふとしたときに「今、何してるかな」と娘を思い出して、安らかな気持ちになっています。
Q 05
六本木ならではのリフレッシュ方法は?
A
にぎやかな場所に行って騒いで、自分を疲れさせること......でしょうか。僕、まったく疲れないんですよ。体力が有り余っていてバカみたいにスタミナがあるから、そうしないと全然眠れない(笑)。
昔はクラブやラウンジによく行っていましたが、今はキックボクシングに通っているので、そこでひたすら身体を動かしてリフレッシュしています。あ、場所は六本木ではなくて渋谷なんですけど......。
Q 06
身の回りのお気に入りのデザインは?
A
うちの美容室「Como Y's IGAWA(コモワイズイガワ)」のロゴです。父親が何十年も前に自らデザインしたもので、店の扉やデジタルパーマの機械には当たり前のようについています。実はこのステッカーには、いろんな色やサイズがあって、実家に行くと冷蔵庫や掃除機をはじめ、ありとあらゆる場所にペタペタと貼り付けられているんです。
そういえば、子どもの頃にはランドセルとかリコーダーにも貼っていたかも......。お気に入りでありながら、見慣れすぎたデザイン。もはや、うちにとっては家紋みたいなものですね(笑)。
Q 07
六本木をもっと良い街にするには?
A
ここに来たらみんなが楽しいと感じる、そんな街になったらいいなといつも思っています。僕らのように商売をしている人が誠実な仕事をして、訪れる人がどこに入っても安心できるような環境が整えば、それが実現できるんじゃないかって。まだまだ"六本木は危ない"というイメージを持っている人も少なくないと思うので、何とかそのイメージを払拭したいですね。
Q 08
前回出演した方(高橋梓さん)とのつながりを教えてください。
A
もともと妻が以前勤めていたサロンのお客様で、実家を継いでからも変わらず通ってくれています。産休で妻が休んでいるときには、僕が担当させてもらったことも。髙橋さんが務めているエステに妻と一緒に行ったこともあるし、家族ぐるみで仲良くさせてもらっています。
no.039
井川光輔さん
20代・美容室経営
六本木歴28年