六本木未来会議に登場してくれたクリエイターのみなさまが推薦してくれた本を毎週紹介していきます(紹介する本の一部は2014年に開催した「森の学校」の図書室と、2015年に開催した「六本木ブックフェス」でも展示したものです)。
今回は、永井一史さんが選んだ、『弓と禅』(著・オイゲン・ヘリゲル)
永井さんのコメント
大正時代、東北大学に招かれたドイツ人の哲学者が、弓道の師範と出会い、そこで学んだ体験を描いたドキュメント。
禅の精神や弓道の奥義に対する理解、そして何事も論理的に解釈する西洋的な考え方との間で葛藤する姿が、本人の言葉で綴られています。
外国人が日本のすばらしさを伝えるといった本や番組はたくさんありますが、それらの源流の一つと言っていいかもしれません。
実際のストーリーの中から、日本文化の本質的な考え方や西洋文化との違いが読み取れる。洞察に富んだ、すごく好きな一冊です。
ドイツの哲学者ヘリゲル氏と弓道の名人阿波研造氏の弓道の修練の師弟関係を綴ったドキュメンタリー。師匠の"一射-一生"の言葉を論理的に理解しようとするヘンゲル氏と、『有心と無心』の心構えを忍耐強く弟子に伝える阿波名人。ページをめくるごとに、師匠と弟子が過ごした濃密な対話の時間を味わうことができる一冊です。
永井一史さんのインタビューもあわせてどうぞ。
クリエイターインタビュー #57
永井一史(アートディレクター)
http://6mirai.tokyo-midtown.com/interview/57/