六本木未来会議に登場してくれたクリエイターのみなさまが推薦してくれた本を毎週紹介していきます(紹介する本の一部は2014年に開催した「森の学校」の図書室と、2015年に開催した「六本木ブックフェス」でも展示したものです)。
今回は、菱川勢一さんが選んだ、『智恵子抄』(著・高村光太郎/角川春樹事務所)。
菱川さんのコメント
詩が好きな理由は「行間」。小説とは違うリズム感で、情景を想像させてくれるところ。情報過多の現代では、なんでもすぐビジュアル化してしまうので、想像力をいかに維持するかがひとつの課題だと感じています。
『智恵子抄』は、読み手に、情景を想像しやすいキーワードを与えてくれる。窓が開いて、カーテンがこんなふうに揺れていて、陽の光がこんなふうに入っていて......。ただ内容を理解するだけならすぐに読めてしまいますが、1時間かけてゆっくりお茶でも飲みながら味わえば、想像をふくらませながら相当妄想できると思います。
行間やリズムを感じ取るというのは、ただ読むという発想を超えた読書方法ですね。著名な作品こそそんな読み方をしてみるとまた新たな楽しみ方を見つけられそうです。
菱川さんのインタビューもあわせてどうぞ。
クリエイターインタビュー #55
菱川勢一(クリエイティブディレクター)
http://6mirai.tokyo-midtown.com/interview/55/
六本木未来会議 編集部