六本木エリアのギャラリーを編集部スタッフの目線で紹介する「六本木ギャラリー探訪」。約3ヶ月ぶりの更新となる今回は、森タワー内、アート&デザインストア併設の「ROPPONGI HILLS A/D GALLERY」へ。訪れたことがある人も多いであろう、六本木ヒルズにあるギャラリーにうかがいました。
「A/Dストアで扱っているアートやデザインのグッズに加えて、現代アートを紹介する場として、作品を観て買えるギャラリーを5年前に併設しました」と話してくれたのは、森ビルのミュージアムショップを担当している上田敏雄さん。これまで百貨店などでアートの販売に長く携わってきたそうです。
ギャラリーがあるのは、展望台「東京シティビュー」がある高層階を下りてゲートをくぐった目の前。同じく高層階にある森美術館や森アーツセンターギャラリーと連動しているのかと思ってたずねてみると、意外な答えが。
「たとえば、今やっているのが『ディン・Q・レ展』と『機動戦士ガンダム展』。振り幅が広いので、常に連動することはなかなか難しいですね。A/Dギャラリーでは、これから注目したい現代アート作家やムーブメントを幅広く紹介しているんです」
訪れた日は、天明屋尚キュレーションのグループ展「TENGAI 2.0 curated by TENMYOUYA HISASHI」の最終日。特徴的な作品が並び、たくさんの人でにぎわっていました。これまで訪れたどのギャラリーよりも、幅広い層の人が訪れていたような......。
次回予定されているのは、三宅信太郎さんの個展「But anyway, it's the turn of the era.」(8月28日(金)から9月13日(日)まで)。上田さんいわく「前回の個展ではライブドローイングをやったりして、楽しかったんです」とのこと。
ちなみにこちらのギャラリーでは、作品を購入するのは海外からのお客さんが多いそう。自分のことを棚に上げて、アートを買うのってなかなか日本で根付かないですね、と聞いてみると、ちょっと面白い話をしてくれました。
「実はアートを購入するタイミングって、誰にでも訪れる可能性があるんです。結婚したときや家を買ったとき、会社を起こしたときなんかがそう。でも、自分の好みやどこで買えるのかを知らないと、いざ買おうっていうときに苦労します。ふだんからギャラリーなどに足を運んで鑑賞しておくのは大切なんです」
「それと、アートを買うポイントは『買えるものを買えるときに買う』ということ。無理して買うものではないし、かといってタイミング逃したらもったいないですからね。目安は、だいたい年収の10%でしょうか。まずはこういう、気軽に買える工芸作品からはじめてもいいと思いますよ」
ほかにも、現在のアートマーケットの仕組みや、ご自身がアートを購入してきた話、日本と海外のギャラリーの違いなど、興味深い話がたくさん。上田さんのお話を聞いて「よし、アートを買おう。年収の10%で......」と購買欲がアップ。みなさんも、美術館帰りにぜひ立ち寄ってみては?
編集部 飯塚
information
「ROPPONGI HILLS A/D GALLERY」
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ ウエストウォーク3階(六本木ヒルズ アート & デザイン ストア内)
TEL:03-6406-6875
開廊時間:12:00~20:00
休廊日:無休
http://www.mori.art.museum/jp/shop/index.html