「デザインあ展」、「コメ展」、「イメージメーカー展」など、ほかではなかなか観られない展覧会を企画してきた21_21 DESIGN SIGHT。2月20日(金)から開催されているのは、なんと「単位展」。......いったいどんな内容なのか、先日の日曜日、おじゃましてきました。
最初の展示は「単位のはたらき」と書かれたパネル。はかる、共有する、規格化する......。公式ウェブサイトに「単位を通して、私たちは思い描いたイメージを共有し、形づくっていくことができます」とあるように、言われてみればたしかに、「単位」はものづくりの根源かもしれません。
パネルの隣には、21_21 DESIGN SIGHTを俯瞰で撮影した映像が。手元にあるコンソールで縮尺を変えることで、Google Mapのように拡大したり縮小したりします。ところがよく見ると、映っている人々が動いている! これ、同展の設営中の動画だそうですが、いったいどうやって撮影したんでしょう。
次の部屋は、さまざまな「単位」を体感できるコーナー。距離、広さ、体積など義務教育のおさらいから、メガバイト、ギガバイトといった「情報の単位」、「時間の単位」や「お金の単位」まで、いろいろなジャンルの単位を体験的に知ることができる展示でした。恥ずかしながら、水10立方cm=1リットル=1kgだなんて、まったく忘れていて、逆に新鮮でした。
さらに進むと、広いフロアにたくさんの展示が。こちらは、さまざまな物を1cm刻みで並べた「長さの比較:1から100のものさし」。消しゴムからスタートして、徐々に長いアイテムになっていくさまは、なかなか壮観。ちなみに、たまに「只今81cm募集中」などと書かれているところもありました(笑)。
クリエイターの展示もいくつかありました。個人的に気になったのは、料理家・高山なおみさんの作品「私のはかりは体。」。料理本を多数出している高山さんの著作から、「塩をひとつまみ」など体で計ったレシピを集めたものです。"アンチ単位"ともいえるアイデアが面白いですよね。
こちらは、文字の面積比から重さを産出して比較する「ことば の おもみ」という展示。しごととかてい、いぬとねこ、おもいとかるいなどの文字が天秤で量られています。ちなみに仕事より家庭のほうが重く、隣で見ていた来場者の女性は「安心した~」と言っていました(笑)。
その横には、比較したい文字を打ち込んで、デジタルで計測できるコーナーも。せっかくなので、私も六本木未来会議の編集部を代表して、「かこ」と「みらい」で試してみました。結果はご覧のとおり、未来の圧勝! まあ、2文字と3文字なので当然なんですが......。
最後に、来場していたカップルに声をかけて、少し話を聞いてみました。ちなみに女性は大学4年生、男性は噺家のたまごだそう。
「私、もともと『単位』が好きなんです。光を見るとくしゃみが出ますよね? あれって何ルクスくらいだと出るんだろうとか、つい考えちゃう(笑)」(女性)
「僕は別に興味はなくて、彼女に連れられてきただけなんですが、面白いですね。この、おちょこが整然と並べられている、斗、升、合など液体の単位を示した展示が気に入りました」(男性)
1階には、バイヤーの山田遊さんが監修したショップも。廃材のはかり売りなどがあり、こちらもユニークなラインナップでした。
「単位展」は、5月31日(日)まで開催、ブログでは紹介しきれないほど、もりだくさんの内容です。単位が好きなあなたも、それほどではないというあなたも、きっと新しい発見があるはず。ぜひ訪れてみては?
編集部 飯塚
information
「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」
会場:21_21 DESIGN SIGHT
会期:2月20日(金)~5月31日(日)11:00~20:00
※火曜休館(5月5日は開館)
入場料:一般1,000円、大学生800円、中高生500円、小学生以下無料
公式サイト:http://www.2121designsight.jp/