六本木エリアのギャラリーを編集部スタッフの目線で紹介する「六本木ギャラリー探訪」。第2回は、器や家具などの作品を展示販売するデザインギャラリー「GALLERY le bain(ル・ベイン)」。こちらはインテリアデザイナー・内田繁さんとの関わりが深い場所なのだとか。どんなギャラリーなのでしょうか?
六本木ヒルズから徒歩5分ほど、テレビ朝日通りから路地を一本入ったギリシャ大使館の隣。ここ「le bain」は、お風呂・洗面まわりの商品を扱うリラインスが運営する、ショールームとショップ、ギャラリー、カフェを併設した複合施設。普通のお店のような雰囲気で、ギャラリー慣れ(?)していない私でもあんまりドキドキせずに入ることができました。
中に入ると、こんな吹き抜けの空間が。右手に見えるのが「GALLERY le bain」、現在はミナ ペルホネンの皆川明さんと、陶芸家・安藤雅信さんがコラボレーションした器を展示する「雪の器」展が開催中。ちなみに左手にはもうひとつのギャラリー「MITATE」とショップが入っています。
展示されていたのは、お皿や小鉢、お椀などなど。どれも作家さんの一点もの! ものすごく高価に違いない......と値札を見てみると、小さいものなら数千円、大きいものでも1万円台のものもあって、私でも手が届きそう。
そう思うと作品の見え方も変わってくるもので、「これは納豆をかきまぜるのによさそう」「そういえばラーメンを食べるどんぶりがほしかった」と、生活感丸出しで鑑賞してしまいました......。でも、食器ですから、使うことを考えて楽しんでもいいですよね?
入り口横にあった茶房「souen 櫻井焙茶研究所」にも立ち寄ってみました。こちらでは、店主の櫻井さんが買う人の気分に合わせてお茶をブレンドしてくれます。ギャラリーと連動したメニューも販売、この日はミナペルホネンの袋に入ったブレンドティーが並んでいました。
案内していただいた広報の長谷川繭子さんによれば、こちらはオープンして10年。その特徴を聞いてみると......。
「ハイクラスのホテルでも使用されている水回りアイテムが並ぶショールームから、ギャラリーの内装まで、オープン以来、内田繁さんにデザイン監修をしていただいています。いわば、この施設全体が内田さんの作品のひとつ。ギャラリーの企画コーディネートは、内田さんとともに長年ディレクションの仕事をされてきた山田節子さんにお願いしています。デザイン業界の中枢でずっとご活躍されているので、六本木未来会議のインタビューに出てほしいくらい(笑)」
こちらは、併設されている「ギャラリーMITATE」。現在は「冬のギフト展 2014」と題し、「かまわぬ」や鈴木美貴子さんの作品を展示販売中。
「ギャラリーは敷居が高いイメージがありますけど、実際にここで仕事をしていると、アートやデザインを買うのは本当に楽しいって思います。自分の手にする物が世の中でひとつだけ、その感覚を味わってほしいんです。作品の背景やつくる過程に触れると、きっと価格以上の価値を感じられると思います。六本木はギャラリーが多い街ですが、どうしても個々の発信力は限定されてしまいますから、その連携をうまくとっていければ......。感受性を豊かにしてくれるものに、もっと気軽に触れられる街になるといいですね」
せっかくなので、ギャラリーで企画をコーディネートしている山田節子さんにもメールでお話をうかがったところ、こんなコメントをいただきました。
「内田繁氏とは40年余に渡り、実にさまざまな仕事に関ってまいりました。内田氏が空間をつくる、私はその空間で運営するモノとコトのディレクションをする。このギャラリーもそのひとつです。展示では、生活文化としてデザインの可能性に挑戦している魅力的な人と仕事を、ジャンルを問わずにご紹介しています。鑑賞すると背筋がちょっと伸びて、大人から子どもまで『これがデザインなんだ』と感じてもらえたらと願っています」
編集部 飯塚
information
「GALLERY le bain」
住所:東京都港区西麻布3-16-28
TEL:03-3479-3843
開廊時間:11:00~19:00
休廊日:月曜(不定休)
URL:http://www.le-bain.com/index.html