「ギャラリーって、なんだか敷居が高そう......」と感じている人も多いのではないでしょうか? でも、入場料が無料だったり、良質な作品をコンパクトにチェックできたりと、実は気軽にアートを鑑賞できるスポット。
その魅力を伝えたい、ということで「六本木ギャラリー探訪」と題して、六本木エリアのギャラリーを編集部スタッフの目線で紹介することに。第1回は、 六本木交差点から飯倉方面へ歩くこと10分ちょっと、現代アートを主に扱う「Take Ninagawa(タケ ニナガワ)」です。
ちなみに、2008年に開廊した「Take Ninagawa」には、あの大竹伸朗さんをはじめ、17名の作家が所属。世界有数のアートフェア「Art Basel」や「Frieze」へ出展するなど、国際的な活動も積極的に行っています。
©Taro Izumi, courtesy of Take Ninagawa
訪れた日に開催されていたのは、映像を使ったインスタレーションで知られる泉太郎さんの個展「泉太郎 合同ピ、開放ポ」(2015年1月30日まで)。空間いっぱいを使って、映像とコンクリート床で成り立つ作品が展示されていました。
コンパクトな展示スペースだけに、ひとつの作品にじっくり触れることができる、これもギャラリーの魅力でしょうか。
©Taro Izumi, courtesy of Take Ninagawa
こちらはデジタルフォトフレームを並べた、パラパラマンガのような効果を狙った作品。写真ではわかりませんが、実はこれ、静止画ではなく動画なんです。じっと眺めていると、写っている人が微妙〜に動くのがなんとも不思議。
©Taro Izumi, courtesy of Take Ninagawa
こちらの写真は、Photoshopでキリヌキしているのかと思いきや、単純に被写体の背後にカラーパネルを置いて撮影したもの! ほかの2作品に比べてこれだけアナログなのが面白いですね。
スタッフの方に3つの作品のタイトルをたずねると「タイトルが長いので、直接見てもらったほうがいいかと思って」と、作家さん本人が書いたメモを見せてくれました。ライブ感があって面白い!
「映像とコンクリートの『ダチョウは道端で泣いた卵を見捨てる』は、作家が随時手を加えていくオンゴーイングの作品。作品が変化していくので、見るたびに楽しめると思います。タイミングがよければ、作家本人にも会えるかもしれませんよ」とのこと。
せっかくなので、もう少し話をうかがうことに。「六本木をもっとデザインとアートの街にするには?」と、いつもクリエイターの方々にしているのと同じ質問をしたところ......
「六本木は国立新美術館と森美術館、サントリー美術館の『六本木アートトライアングル』が中心ですが、そのエリアがもっと広がっていくといいと思います。周辺エリアには、私たちのようなギャラリーがたくさん点在していますから、ちょっと足を伸ばして気軽に立ち寄ってほしいですね」
ついでに「この作品も買えるんですか?」と、素人感丸出しの質問をすると、「もちろん購入できます。お客さんは、一般の方はもちろん、美術館の方が来ることも。森美術館の方がいらっしゃることもありますよ」と教えてくれました。
帰り道、目の前には雨に煙る六本木ヒルズが。ギャラリーでのアート鑑賞は、美術館よりも作品を身近に感じられる、とても新鮮な体験でした。今回、作品の値段は怖くて聞けませんでしたが、いつかふらりと立ち寄って、買ってみたいなぁ。
編集部 飯塚
information
「Take Ninagawa」
住所:東京都港区東麻布 2-12-4 信栄ビル1F
TEL: 03-5571-5844
開廊時間:11:00〜19:00
休廊日:日曜、月曜、祝日
URL:http://www.takeninagawa.com/