先日、サントリー美術館で開催されている「プラハ国立美術工芸博物館所蔵 耀きの静と動 ボヘミアン・グラス」の内覧会にいってきましたので、展覧会の魅力を少しお伝えしたいと思います。
ボヘミアとは、現在のチェコの西・中部を表します。そういえば、チェコは今でもガラス細工で有名ですよね。中世後期から800年程の歴史を持つ、カットやエングレーヴィングが水晶のように素晴らしいグラスたち。
今回展示されている作品は、全てプラハ国立美術工芸博物館から170件にも上る作品を借りたもので、ボヘミアン・グラスに特化した展覧会を行うのはほとんど初めてだろうというほど珍しいことなのだとか。
こちらは第2章に展示されている、淡く色づいたガラス達。ボヘミアン・グラスの初期の工芸です。美しい色もさることながら、くねった瓶の口や、動物が施された精巧な作品など、技術の高さが伺えます。
展示の第3章から蓋付きのゴブレット。繊細なエングレーヴィングの技術で、紋章が彫り込まれています。ゴブレットは、実用的というよりも、装飾品として使われていたようで、その家のステイタスになっていたそうです。
こんなに素敵なゴブレット、手にはいるのならば是非家にもひとつ飾りたいものです。
上の様なクリアなガラスとは対照的に、4章に展開されている19世紀前半のボヘミアン・グラスには、この様にカラフルに色づけされたものが登場。
マットなロイヤルブルーに、ツヤのあるブラック、ゴールド...新たな着色法の発見により、更に多様性を増していきます。陶器のような質感で、一見ガラスでできているとは信じられません。
さらに目を引くのは、こちらのネオングリーンに輝く、モノグラム(J.K)文化器。なんと、ウランを使用することでこのような色が生み出せたのだとか。科学の発展も、ボヘミアン・グラスの歴史には影響したのです。
最終章には、チェコの現代ガラスアーティストの作品が展示されています。見れば見るほど、どのような技術でつくられたのか不思議な作品たち。高い技術と、ガラスに対する情熱が伝わってきます。
中々お目にかかれないだろう素晴らしいボヘミアン・グラスの数々。是非この機会に、ボヘミアの素晴らしい伝統に目を奪われに訪れてみてくださいね。
編集部T
展覧会名:「プラハ国立美術工芸博物館所蔵 耀きの静と動 ボヘミアン・グラス」
会場:サントリー美術館(東京ミッドタウン・ガレリア3F)
会期:2014年8月2日(土)~9月28日(日)10:00~18:00
※金・土、および9月14日(日)、9月22日(月)は20:00まで開館
※いずれも入館は閉館の30分前まで ※shop×cafeは会期中無休 休館日:火曜日
※9月23日(火・祝)は開館
入場料: (当日)一般¥1,300、大学・高校生¥1,000、中学生以下無料 (前売)一般¥1,100、大学・高校生¥800
お問い合わせ:TEL:03-3479-8600
その他: [HP割] ホームページ限定割引券提示で¥100割引 [携帯割] 携帯サイトの割引券画面提示で¥100割引 [あとろ割] 国立新美術館、森美術館の企画展チケット提示で¥100割引 ※団体は20名様以上、¥100割引
※他の割引との併用はできません
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公式サイト:http://suntory.jp/SMA/