撮影場所:21_21 DESIGN SIGHT
六本木で働く・住む人に、街についてのインタビューをして、リレーで繋げる当企画。今回は、六本木で会社を経営するデザイナーの小川さん。同じデザイナー職でも、前回の西田さんとはまた一味違う六本木の楽しみ方を教えてくれました。
Q 01
六本木といえば_________。(一言で表すと?)
A
「スタート」と「ゴール」が共存する街、という印象です。世界レベルのIT企業が集結している先進的で尖ったイメージもありますが、実は挑戦者に対して非常にウェルカムな街。
IT業界やデザイン業界の人間は新しい物好きが多いからかもしれません。私が起業してこの街にオフィスを構えるときにも、多くの先輩がアドバイスをくれたり後押ししてくれたり、たくさんのサポートをいただきました。そういう意味で「スタート」を切りやすい街だと感じています。
一方、六本木には、挑戦者にとってのお手本やロールモデルになるような存在=「ゴール」になる人もたくさんいます。「ゴール」側の人間は「スタート」の位置にいる人間を歓迎し、利害関係抜きに応援してくれる。そんなふうに、新しくて面白いことを目指してみんなでワイワイ楽しく盛り上がっているイメージですね。
Q 02
あなたがオススメする、六本木のベスト3は?(飲食店を含む、あらゆるお店でOK)
A
1位 東京ミッドタウン
僕、東京ミッドタウンが本当に大好きなんですよ(笑)。魅力は何と言ってもそのデザイン性。高級感がありながら、違和感なく親しみの持てる調和の取れたデザインだと思います。六本木ヒルズもいいですけど、ちょっとサイバー感や未来的要素が強くて、個人的にはナチュラルな感じがあるミッドタウンが好みですね。
2位 東京ミッドタウン・デザインハブ
ミッドタウン・タワーの5Fにある、デザインネットワークの拠点です。面白い展覧会をしていて、無料なので気軽にフラッと立ち寄れる。デザインに関する幅広いディスカッションを行う「折詰め会」という研究会には、僕も参加しています。
3位 21_21 DESIGN SIGHT
またまたミッドタウンネタで恐縮なんですが......(笑)、年に数回の企画展が毎回すごく面白いんですよ。普通の美術館のように、ただ作品を展示するのではなく、「水」とか「チョコレート」とか日常的なテーマで、関連する幅広いデザインを紹介しています。今やっているのは「コメ展」、まだ行っていないですがすごく興味があります。
Q 03
六本木にある、お気に入りの景色は?
A
港区立檜町公園にある、東屋から眺める景色。公園内の池のほとりに茶室風の東屋があって、ベンチに座って休憩できるようになっているんです。疲れたときに立ち寄って庭園を眺めると心が癒されますよ。もしここでお団子を売っていたら、絶対買っちゃいますね(笑)。
Q 04
六本木のアフター5の過ごし方は?
A
遅くまで仕事をしていることが多いのですが、あえて挙げるとしたらオフィスのベランダで栽培しているイチゴの手入れですかね。ちょうど今、たくさん実をつけているんですけど、ナメクジに食べられて悔しい思いをしたので、虫よけのためにコーヒーがらを撒きました。
僕は植物が好きで、自宅でも水草を育てています。「ネイチャーアクアリウム」ってご存じですか? 自然の生態系を水槽の中で再現して、その美しさを楽しむものなんですが、あんまり知られてないですよね......。「ネイチャーアクアリウム」を提唱する水草育成器具のメーカーは、これまでダサいものばかりだった水槽グッズに洗練されたデザインを持ち込んだ、「水槽界のアップル」と言われているんですよ(笑)。
Q 05
六本木ならではのリフレッシュ方法は?
A
リッツカールトン1階のカフェでコーヒーを飲むことです。前職の会社時代には外でお昼を食べた帰りによく寄っていました。リッツカールトンのコーヒーなんてすごく高そうなイメージですけど実はそんなことなくって、1杯500円くらいで飲めちゃうんですよ! スターバックスに行くのと変わらないですよね。でもスターバックスにはなくて、ここにあるのが座り心地抜群のソファ。このソファでのんびりコーヒーを飲んでいると、すごく贅沢な気分が味わえます。
あとは、上のベスト3で挙げたようなところに行くのもリフレッシュになりますね。リフレッシュというよりは刺激を受けにいくという感じかもしれません。デザインって、常日頃自分が見ているものにとても影響を受けますから。
Q 06
身の回りのお気に入りのデザインは?
A
学会の発表でギリシャを訪れたとき、アテネのスーパーで買ったハサミがお気に入りです。そのスーパーにあった一番安いハサミで、たしか1500円くらいでしたが、無駄のないシンプルなデザインが素敵だなと思います。
日本で同じくらいの値段のものを探すと、持ち手がラバーにだったり刃の部分に安全バーが付いていたりゴチャゴチャしているでしょう。このハサミのそっけなさというか、「こんなもんでいいんじゃない?」という雰囲気がたまらなくカッコイイなと。もう5年くらい使っていて塗装も剥げてきていますが、まだまだ切れ味は抜群です。
Q 07
六本木をもっと良い街にするには?
A
とにかく六本木という街が好きなので不満はあまりないですね。あえて言えば、スーパーで売られているものの値段が高いのがちょっと......。家賃はピンキリなのに、スーパーは高級スーパーだけしかないんですよね。できれば六本木に住居を構えたいと思っているので、せめて西友一軒でもあれば、もう何も不満はありません(笑)!
Q 08
前回出演した方(西田さん)とのつながりを教えてください。
A
西田さんは以前勤めていた会社の同期です。2人ともデザイナー職で研修のチームも同じ。他のメンバーも一緒に、よくみんなでランチに行ったりバドミントンをしたりしていました。
no.021
小川 学さん
20代・会社役員 / デザイナー
六本木歴8年