現在森アーツセンターギャラリーにて開催中の、「こども展」のプレビューに先日行ってきたのでレポートします。
子ども展はパリのオランジュリー美術館で開催された展示会を日本向けに再構成されたもので、子どもの絵画のみを集結し、モデルとなった子どもを通して作品を読み解いていく、という提案をしています。
こども展の入り口手前には、三井淳平さんがレゴブロックで作成したアンリ・ルソーの《人形を抱く子ども》が展示されています。洋服のドットや抱かれた人形の顔まで細かく再現されていて、レゴブロックで作ったとは思えない仕上がり。
(左:「ネリー・ビュネルの肖像」、右:「ポール・デュビュッフの肖像」共にクロード=マリー・デュビュッフ)
さて。ルネサンスまでの時代は、子どもは芸術作品として描く対象とされておらず、子どもの肖像画が本格的に制作されるようになったのは18世紀後半の事なのだとか。
会場には、子どもの肖像画がずらりと並んでいます。記念撮影のような畏まったものから、日常のさりげない風景を描いたものまで様々。
第1章で展示されているクロード=マリー・デュビュッフが描いた対になった肖像画の二人は、後に結婚することになったのだそう。子どもの絵画を、その後の彼らの人生までも含めて観ていくと、これまでとは違った新しい楽しみ方ができますよね。
こちらは、第3章で展示されている、クロード・モネの3点。
モネは、家族の記録用として自分の息子を描き、永く手元においていたのだそう。現代でいう写真代わりということですね。素早い筆のタッチで、背景は描きこまれていません。画家の子どもに対する強い思いが受け取れます。子どもたちの繊細な表情まで表現されているのは、親ならではかもしれません。
最後の第6章は、20世紀のレアリスト達の作品が展示されています。20世紀は、前衛的なアート作品が多く、こういった写実的なアートはあまり描かれなかったとか.
他にも、第5章のフォービスムとキュビスムの中で、ピカソが描いた自身の子どもたちの絵や、彼らのために作って遊んでいた紙のおもちゃ等も展示されていたり、実際にモデルとなった子どもが当時の事を語る映像があったりと、楽しめる内容となっています。
こちらの「こども展」では、竹内まりやさんが音声ガイドを担当、心地よい声で作品をご紹介されているので、訪れた際には是非ガイドを借りていただきたいと思います。
編集部T
展覧会名:こども展 名画にみるこどもと画家の絆
会場:森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)
会期:2014年4月19日(土)~6月29日(日)※会期中無休
開館時間:10時~20時 (入館は閉館の30分前まで)
※火曜日は~17時まで
お問い合わせ:<ハローダイヤル>03-5777‐8600
主催:日本テレビ放送網、森アーツセンター、読売新聞社
企画支援:オルセー美術館、オランジュリー美術館
特別協賛:木下工務店
協賛:大日本印刷、損保ジャパン・日本興亜損保
協力:エールフランス航空、日本通運、JR東日本、BS日テレ、CS日テレ、ラジオ日本、J-WAVE、InterFM、文化放送、テレビ神奈川、WOWOW
企画協力:NTVヨーロッパ