4月19日に行われた第9回六本木デザイン&アートツアーの舞台は、一夜限りのアートの祭典「六本木アートナイト2014」。オールナイトイベントということで、いつもより遅めの時間帯からのスタート。東京ミッドタウン&国立新美術館エリアを回るツアーが21時30分から、六本木ヒルズエリアを回るツアーが23時30分からと、2つのコースで行われました。
ツアーのガイドは、昨年のアートナイトのキュレーターを務めた、Art Center Ongoing代表の小川希さん。この日、六本木未来会議で配布していた「ふるさとシール」を貼って、案内してくれることになりました(ちなみに小川さんは東京都出身)。
21時30分になり、最初のツアーが開始。まずは国立新美術館に向かいます。通常であれば閉まっているはずのこの時間に、大勢の人が展示を楽しんでいる。そんな"お祭り"らしい夜の賑わいに、みなさんのテンションも高め。
こちらの作品は、今年のアートナイトの目玉。西尾美也さんによる「カラダひとつプロジェクト」三部作のひとつ、「ボタン/雨」という作品。すだれのように連なっている粒は、よ〜く見ると、古着のボタンなんです。
国立新美術館エリアを巡ったあと、一行は東京ミッドタウンへ。同じく「カラダひとつプロジェクト」の作品、古着のパッチワークで花をかたどった「花柄/花」。
ヘッドフォンで音楽を聴きながら踊るパフォーマンス「クワイエット・ディスコ 」に遭遇。みんなノリノリで「♪アイラ〜ビュ〜ベイベ〜」と踊りながら歌うので、「音楽は聴こえないけれど、何の曲で踊っているのかはわかりますね」と、小川さんから冷静なツッコミが(笑)。
東京ミッドタウンエリアを堪能したあと、続けて23時30分からのツアーがスタート。今度は六本木ヒルズエリアを巡りました。こちらは、アリーナで展示されていた「カラダひとつプロジェクト」3つ目の作品、「人間の家[スカート]」。ステージを包み込むような古着のパッチワークが壮観!
六本木ヒルズのウェストウォーク2Fでは、細長い筒の先から紙切れのようなものが吹き上げられ、たくさんの人がそれを掴もうと夢中になっていました。参加者の方に、ゲットした紙切れを見せてもらうと......。
紙切れの正体は、目のイラスト。裏側には目をつぶった絵が描かれていて、紙が宙をくるくる舞うと、まばたきしているように見えるという仕掛けでした。こんなアート作品が六本木の街中にたくさんあって、一晩では回りきれないほど!
ツアーが終了したのは、深夜1時過ぎ。この時間からも、イベントを回ったり美術館に行ったり、参加者のみなさんは、まだまだアートナイトを楽しもうとしていました。
ところで、前半の写真にチラホラ写り込んでいるハトの仮面を被った2人組、気になりませんでしたか? 2人もツアーの参加者だったのですが、その正体を確かめるべく、ツアー終了後にインタビューをしてみました。
「アートナイトには毎年来ているんですが、あるとき仮面をかぶるだけで面白くなると気づいて、今年はハトで参加しました。ただ歩いているだけなんですけど、話しかけられたり写真を撮られたりするんですよ。こういう楽しみ方はアートナイトならではですね」
「クラブなどが規制される中、東京都がこういうオールナイトイベントを主催すること自体が新鮮。今日は夜通し、ゲリラ的に出没しますよ! ツアーも面白かったです。"ハトがアート作品を見ている"という構図が面白く写ってるといいな(笑)」
お祭り騒ぎの六本木を巡ったツアーのレポートは、5月21日(水)に公開予定。アートナイトを、もう一度ウェブで楽しんでくださいね。
編集部 飯塚